皆様、こんにちは!緑和堂東京支店でございます。
今回、お客様からお譲り頂いたお品物はこちらです!
『硯箱 蒔絵』でございます。
蒔絵とは漆器の表面に漆で絵や模様などを描いてその上に金粉もしくは銀粉などの粉を振りかける(蒔く)ことで漆器に絵や模様を定着させて作った漆器の技法のことです。これは日本独自の技法になります。この蒔絵の起源は奈良時代まで遡るのですが、正倉院に収められている太刀の鞘の装飾にこの蒔絵が使われたのが始まりとされています。その後平安時代に蒔絵と呼ばれるようになり、鎌倉時代には基本的な技法が確立されています。
この蒔絵ですが昔から海外でも愛されていまして、江戸時代に日本へ渡ってきた宣教師がこの漆器の蒔絵をみて、職人にこれで教会用の道具を作ってほしいと頼まれ様々な道具を作成しました。あの有名なフランシスコザビエルの出身地やスペインの教会には漆器で作られた道具が今も残っているとされる資料がみつかっています。また、マリーアントワネットも漆器をとても気に入っていて漆の間という部屋を作成したほどです。その漆器の中には蒔絵が施されたものもあり、とても人気の品物だったようです。
箱がないため状態が良いものなのですが今回の評価額になっています。また作品の状態やモチーフによっては評価額が変動致しますのでご了承ください。