今回紹介するお品物は、茶平一斎 『吹雪 棗』です。
茶平一斎(ちゃひら いっさい)は、石川県輪島市を拠点とする茶の湯道具専門の漆器店です。初代茶平一斎が昭和22年に創業し、以来、三代にわたって「一斎」の号が受け継がれています。
今回の棗は内側が金になっている内金と呼ばれるお品物になります。内金は、棗(なつめ)の内側を金箔や金粉で仕上げた特別な茶道具です。金の輝きが抹茶の緑と美しく調和し、茶席を華やかに彩ります。この棗は、茶事や正式な茶会など格式のある場面でよく使われ、千家十職をはじめとする名工達も数多くの意匠を凝らした逸品を制作されています。
金の施し方には、全面を金で仕上げた「総内金」や、一部に金を配した「部分内金」などがあり、蒔絵を加えた豪華な品物も存在します。
今回のお品物は上記の内金であることに加え、状態を考慮し今回の評価となりました。