今回ご紹介するお品物は、引間二郎作『木彫り熊 木歩』でございます。
北海道八雲町出身の引間は、熊彫作家に転向後、リアルで野性味あふれる作風や、デフォルメに近い形で全体的に滑らかさと柔軟性を感じられる作風など、幅広い表現力を展開しています。熊彫で代表される2種類の彫り方である「荒彫」と「毛彫」のどちらも手掛ける為、今では数少なくなってしまった熊彫師としての作品とも相まって注目度が高まっている作家になります。
今回のお品物である木彫り熊は、野生の熊を彷彿とさせる鋭い眼光を持ちつつも、骨格は滑らかで美しいデザインが引間ならではの特徴的なお品物となっています。細かな擦り傷がありましたが、希少性とお品物に対する技術の観点から、上記評価額となりました。