バードウォッチャーが観る日本美術 其ノ弐

皆さんこんにちは。緑和堂京都本店の秦です。

 

日本の美術品に多く登場する野鳥。今回もバードウォッチャーの目線から、描かれた鳥の姿にどういう意図があるのか推察していきたいと思います。

 

こちらの絵は深田直城 作の物ですが、咲きはじめた白梅にとまるウグイスが描かれています。

ウグイスは皆さんご存知の「ホーホケキョ」とさえずる鳥ですが、中には緑色で目の周りが白い鳥を想像する方もいます。その鳥は「メジロ」という鳥で、よく間違えられていて「ホーホケキョ」とは鳴きません(ジブリ作品の「ホーホケキョとなりの山田くん」でも冒頭にメジロのような鳥がホーホケキョと鳴くシーンがあるほどです)。

 

ウグイス

 

メジロ

 

 

ウグイスは普段藪の中に潜んで生活しているので普通に生活していれば見る機会はほとんどありませんが、オスが「ホーホケキョ」とさえずる時は比較的目立つ枝にとまることが多いです。

 

この絵に描かれたウグイスもそうした場面なのですが、梅が咲く2月中旬頃はウグイスがさえずり始める時期でもあります。

その時期のウグイスは練習中のようなぎこちないさえずり方をしていて、この絵のような半端な口の開き方になるを見かけます。

 

春を告げるものとして有名な梅とウグイス。

この二つを見つければ胸の躍るような季節が目前に迫っていることを知ることが出来るでしょう。