版画・リトグラフ・シルクスクリーンの査定ポイントとは?

皆様、こんにちは!
緑和堂 大阪支店の清水です!

天気予報を見ると雨マークが増えてきたので、そろそろ梅雨入りの気配を感じる今日この頃。皆様はいかがお過ごしでしょうか。
ジメジメした空気に負けず、元気に過ごしていきたいですね!

さて、最近ですがたくさんのご依頼を頂く中で、絵画のご依頼が多いように感じております。
そこで、絵画の中でも『版画』について今回は触れてみたいと思います。

版画というと、木版画を小・中学生の頃などに体験した方も多いのではないでしょうか。
絵画には原画を元に、数量限定での版画制作が行われることがあります。
古くは木版画。
日本でいう浮世絵などはまさに木版画の粋が集められています。
西洋では木版画もありますが、銅版画が多く作られ、その後リトグラフという石版画が作られました。
これは石板に脂肪を含んだチョークなどで線を描き、水と反発する性質を利用して紙に写し取る方法で、20世紀初頭から多くの有名画家の作品がリトグラフとして制作されています。
それより後にシルクスクリーンという技法も編み出されます。
これは木枠にシルクなどを張り、残したい線以外の網目の部分を塞いでしまう方法です。インクは網目の空いているというところしか通りませんから、望んだように紙に絵を写し取ることができます。
木版画は凸版印刷。
銅版画は凹版印刷。
リトグラフは平版印刷。
シルクスクリーンは孔版印刷。
一言に版画と言っても、このように方法が大きくことなります。
現在はこの他にも様々な版画方法がありますので、興味を持たれた方はお調べしてみるのも面白いと思いますよ!

では、具体的にこれらの版画を査定する際、どこが重要になってくるのでしょうか。
上に載せた写真はクロード・ワイズバッシュの版画となります。
絵画全般で共通していることとして、『作家』『サイズ』『状態』がポイントとしてあります。
まず第一に絵の出来栄えもそうですが、『作家』が重要となります。
有名な作家であれば査定も高評価が期待できます。
サイズは絵の大きさですが、額の大きさというよりも額の内側で絵が見える範囲のサイズが重要となります。
もしライン査定、メール査定の時は額サイズだけでなく、額の内側で絵が見えている範囲のサイズも載せて頂けるとより正確です。
そして状態です。
油彩画であればひび割れや剥落などが減点要素ですが、版画ではヤケ、シミなどが発生しやすいためそこが重要なポイントになります。
また額の状態も査定のポイントになりますので、お持ち込みでの査定の際はお気をつけください。

版画の場合、多くは絵の端、絵と被らない場所、もしくはギリギリ被るくらいの場所に作家のサインが書かれます。
作家直筆のサインがあるかどうかはとても重要です。

版画では作家のサインとは大体反対側の下側にこのような分数が書かれています。
エディション番号(ed.)と呼ばれるもので、何部目/発行部数を表します。
版画には基本的にこの表記があります。(古いものは無いものもあります)

そして絵の裏面に作家の情報である共シールが貼られているかどうか、これも重要な要素です。
無くても大丈夫ですが、有る方が評価が高くなります。

簡単に版画の査定ポイントを書かせて頂きましたが、
「上記のものが何も無いから、ダメなものだ。捨てよう」と思うのはお待ちください。
その中にも貴重なお品物が眠っているかもしれません!

絵の処分でお悩みの時は、是非一度緑和堂にご相談ください!
皆様からのお問合せ、心よりお待ちしております!