本作は、甲冑師の明珍吉道が手掛けた江戸時代の兜になります。
吉道が岩城に住んでいた頃に作られた品だと考えられます。
明珍派は、12世紀半ばから続く有名な甲冑師の一派です。
本作では、鉄錆地に石地漆塗という鉄錆の色を活かしつつ石のような質感を出す技法が使われており、8枚の鉄板で構成されています。
兜の頂点には、戦勝を祈願する金の装飾が施されています。
後頭部と首を守るしころの部分には、素懸威(すがけおどし)という板の繋ぎ方が使われていて、スッキリとした印象を与えます。
左右の吹き返しにみられる軍配のような紋が印象的です。
へこみはあるものの全体的に状態も良く、日本甲冑武具研究保存会によって認定された大変貴重な品となっています。
希少性や状態などを考慮し、本作は上記の査定結果となりました。