今回ご紹介させていただくお品物は、端渓硯『密彫鷹桃果硯』でございます。
硯は書道に欠かせない基本の書道具で、その質は書の仕上がりに大きく影響します。なかでも中国硯の最高峰とされる端渓硯は、中国広東省肇慶市・端渓で産出される緻密な端渓石を用い、墨当たりが柔らかいことで唐代から文人・書家に重宝されてきました。老坑・坑仔岩・麻子坑など坑口ごとに個性があり、近代には採掘量が減ったことで良質な端渓硯は現在も希少な書道具とされています。
本作『密彫鷹桃果硯』は、端渓石の上質な石肌を生かし、鷹の毛の流れや羽の細部まで丁寧に彫刻され、力強さと躍動感が際立つ逸品です。桃果の丸みやふくらみも巧みに表現され、書道具としての実用性に加え、工芸品としての芸術的価値も非常に高い作品となっております。
本作には端渓硯の証明書と専用の木製箱が付属しております。使用感はありますが、比較的良好な状態なので、こちらの評価とさせていただきました。