加藤利昇は、京都を拠点とする京焼の陶芸家です。茶陶を中心に、仁清写しや乾山写し、染付、色絵、交趾など、多様な技法を幅広く手がけていることで知られています。
仁清や乾山の様式を踏まえた色絵・金彩を基調とし、白化粧の素地に四季の草花や吉祥文様を描く作風は、華やかさの中にも品位があり、京焼らしいやわらかな美しさが感じられます。
また、余白を生かした穏やかな構成が多く、茶道具としての使いやすさにも配慮されています。
全体として、奇をてらわず、伝統的な京焼の美意識を丁寧に表現した作家であり、茶道具を中心に堅実な評価を得ている陶芸家といえます。
今回のお品物は、菊の金彩が全面にあしらわれた華やかな意匠に加え、裏千家15代家元・鵬雲斎書付が添えられた非常に美しい作品です。