角偉三郎は、現代漆芸を代表する作家の一人であり、作品数が限られていることから希少性の面でも高い評価を受けています。
中でも特徴的なのが、椀の底面に施された星の意匠です。本作は、晩年の作品に見られる「六つ星」の仕様となっております。これは還暦を迎えた頃、それまでの五つ星に一つ星を加えたものとされ、制作年代を示す一つの指標としても知られています。
また「安子椀」は、角偉三郎の工房において職人である安子氏によって考案された、大ぶりで実用性に優れた椀です。また造形美も兼ね備えた意匠として、多くの愛好家に支持されています。
本作は、そうした工房の思想と技術が色濃く反映された一作であり、さらに六つ星という点からも価値が認められるため、今回の評価とさせていただきました。