三浦竹泉は、1883年の開窯以来、京都で代々続く名門窯として知られており、とりわけ煎茶器の分野で高い評価を受けています。
本作の作者である四代竹泉(1911年〜1976年)は、歴代の中でも特に意匠性と技術力に優れた作品を数多く残した名工です。三浦家伝統の鮮やかな「赤絵」や、豪華な金彩を施す「金襴手」の技法を巧みに用い、格調高い作品世界を築きました。
最大の魅力は、器全体に緻密に描き込まれた図案の精巧さと、京焼ならではの端正な造形美にあります。本作に描かれた「寶尽(たからづくし)」文様は、宝珠・打ち出の小槌・隠れ蓑などの吉祥モチーフを散りばめた、室町時代から続く縁起文様であり、繁栄や福徳への願いが込められています。
また、今回のお品物は未使用のまま大切に保管されていたため使用感が見られず、非常に良好なコンディションを維持していました。加えて、紛失しやすい共箱も揃っており、傷や欠けのない完品状態であった点が高評価へと繋がりました。