森内敬子は、エナメル塗料を幾重にも盛り上げ、その上から大胆に金箔・銀箔を施すことで、強烈な存在感を放つ作品を制作することで知られています。
本作は、画面全体を覆い尽くすように輝く金箔と、その奥から滲み出るように現れる鮮烈なピンクの色彩が印象的な一作です。物質そのものを画面へ定着させることで、単なる平面作品の枠を超えた圧倒的な実在感を生み出しています。
また、本作は単なる美術作品に留まらず、置かれた空間の空気や印象そのものを一変させるほどの力強さを備えています。前衛芸術特有の激しさやエネルギーを内包しており、静謐さと躍動感という相反する要素が共存している点が大きな魅力です。
本作品は、作家の特徴的な作風が非常によく表れていることに加え、コンディションも比較的良好であったため、上記の評価とさせていただきました。