「東の魯山人、西の半泥子」と並び称される川喜田半泥子は、百五銀行頭取を務めるなど三重県の実業界で活躍する一方、50歳を過ぎてから本格的に作陶に取り組みました。既成の様式にとらわれない自由な作風で知られ、「天衣無縫」「自由奔放」と評されます。歪みや焼成による偶然の変化を積極的に取り入れた独創的な茶陶は、近代陶芸を代表する作品として高く評価されています。
瀬戸風の本作は、開いた口縁と引き締まった高台のバランスが美しく、手に取った際の収まりの良さにも半泥子らしい気配りが感じられます。
半泥子は陶芸をあくまで趣味として捉え、自作を積極的に販売することはせず、多くの作品を友人や知人に贈ったと伝えられています。そのため市場に流通する作品の多くは旧蔵家伝来品であり、来歴の確かな作品は特に高く評価されています。
こちらは箱の存在や作風を加味し、こちらの評価とさせていただきました。