今回ご紹介するお品物は、又玄斎一燈書付『一閑張大棗』です。
裏千家八代・又玄斎一燈は、表千家六代・覚々斎の三男として生まれ、長兄の表千家七代・如心斎や、次兄の裏千家七代・竺叟宗室とともに千家を支え、自身の息子はのちに裏千家九代・不見斎となりました。当時は町人文化の発達によって大衆にも茶の湯が広まった時代であり、急増する門人たちへ分かりやすく教える必要性が高まっていました。そこで又玄斎は覚々斎らと共同で「七事式」を制定します。この柔軟で組織的な取り組みが功を奏し、江戸中期における千家流茶道の大きな隆盛へと繋がっていきました。
本作は一閑張の大棗です。一閑張は江戸時代初期に中国(明)から日本へ渡来した飛来一閑から伝わった伝統的な技法です。紙や布を張り重ねて漆で仕上げることで、軽やかさと素朴な味わいをあわせ持つのが大きな特徴です。
こちらのお品物は、共箱に書付があり、さらに大棗にも裏千家家元の花押が記されている大変貴重なものであると判断し、上記の評価となりました。