グラフフォンファーバーカステルは、1761年に家具職人であったカスパー・ファーバーが、ドイツ・ニュールンベルグ郊外で鉛筆の製造を始めた事が歴史の始まりとなります。
世界で初めて鉛筆の製造を開始したメーカーとしても有名で、1851年には現在の鉛筆の定番的な形となっている六角形のデザインや芯の「長さ・太さ・硬度」が世界的基準となった、中心的ブランドでもあります。
また、長い歴史のある筆記具ブランドから1993年には新たにデザイン性に優れた高級筆記具を次々に発表します。職人の細密性高い技術力から織りなす一部のコレクションは制作数が限られており、市場に出回る機会は比較的少ない為、注目度が高まりやすくなる場合もあります。
セーラー万年筆株式会社は、現在東京都港区虎ノ門に本社を構える日本の老舗筆記具メーカーです。
日本初となるボールペン「セーラー・ボール・ポイント・ペン」の製造や、高級万年筆のブランドとして高い知名度を持ち、長年日本の筆記具メーカーをリードしてきました。
1911年に阪田久五郎氏が広島県呉市に「阪田製作所」を創業し、国産万年筆の製造を始めたのが起源となります。軍港都市・呉にあり、やがては海を越えた発展を考えていたことに因んで、商標を「水兵(セーラー)」と命名しました。ロゴマークの錨からも現在に受け継がれる企業精神が見えてきます。
初期から開発していた万年筆では市場の最先端となる技術を積極的に用い、常に目新しい製品を発売しました。また他企業に先んじて開発したボールペン、筆ペンは当時瞬く間に人気となり、ブランド人気を確立させるものとなります。
1969年からはロボットマシンの製造に着手するなど、海を割り進むような挑戦姿勢は時代の変化の中でも受け継がれております。
パイロットは、万年筆に代表される日本の筆記具メーカーです。
1918年、東京で並木良輔氏が「株式会社並木製作所」を創業し、「パイロットペン」の商号でペンを販売しだしたのが起源となります。
当初から幅広い種類の万年筆を製造しており、中でも高級品は「NAMIKI」のブランド名で国内外へ輸出されておりました。1930年にはロンドン海軍軍縮条約での署名にNAMIKIの蒔絵万年筆が使われ、海外での大きな認知を得ることとなりました。現在では社名を「株式会社パイロットコーポレーション」とし、パイロット=水先人の語源を体現するように、業界を先導するトップメーカーとなっております。
1971年から販売がはじまったカスタムシリーズをはじめ、万年筆で高い評価を獲得している他、ドクターグリップやフリクションといった現在の定番ボールペンも手掛けており、品質・人気共に世界に羽ばたく筆記具メーカーとしての地位を確立しています。
デュポンは、ライターに代表されるフランスの高級ブランドです。
1872年、シモン・ティソ・デュポンによって革製品店として創業されました。高級層に向けたアイテムは人気を呼び、順調に業績を伸ばしておりました。
第二次世界大戦の折、旅行用鞄の発注が受けられなくなったのを機として、シモンの息子であるアンドレ・デュポン主導のもと、ラグジュアリーライターの製作を開始しました。さらに1952年には火力調節を可能としたガスライターを発表し、特許を取得しました。独特な開閉音に代表されるエレガントな設計のライターは瞬く間に人気を呼び、現在ではブランドの顔となっております。
1973年からは高級ペンの製作にも着手し、ライター、革製品とともにデュポンの人気の柱となりました。その他にも眼鏡や宝飾品、香水などが展開されています。
古くはパブロ・ピカソ、近年ではカール・ラガーフェルドなど著名なアーティストとのコラボも行われており、世界的に人気の高いブランドです。
カランダッシュは、スイスで創業した筆記具ブランドです。
1915年に前身となる「エクリドール鉛筆製造所」がスイスのジュネーヴに設立し、以降現在まで高級筆記具メーカーの第一線をけん引してきました。
主な取扱品は万年筆、ボールペン、ローラーボール(水性ボールペン)などのペン類から、ライターやバッグまで販売しています。「カランダッシュ」がロシア語で鉛筆となるように、生い立ちは鉛筆であり、現行のペンのコレクションでもボディを鉛筆のような六角軸にしているものが多いです。
筆記具の生産においては、創業より一貫してジュネーヴの自社工場で行っており、優れた筆記具となるよう厳しい基準のもとで管理されています。
2010年には一本1億円の超高級万年筆『1010 Diamonds』を発売し、当時の正規価格万年筆の史上最高額となり、話題を呼びました。
また一方、一般層に手の届きやすい廉価の文具コレクションも展開しており、幅広い層に認知されるブランドとなっております。
パーカーは、イギリスの高級筆記具ブランドです。
1891年にジョージ・サフォード・パーカーがペンの特許を申請し、アメリカで製造を開始したことを起源とします。
インク漏れをしない「ラッキー・カーブ・ペン」という先駆的な万年筆の開発に始まり、創業当初から確実に売り上げを伸ばし続けました。
1920年代、パーカーは大きく高価な万年筆「デュオフォールド」を開発します。ビッグレッドと呼ばれるオレンジ色のデュオフォールドは、一躍世界を席巻し、現在に続く人気を確立しています。創業51年目に開発された「パーカー51」は、アカデミー賞のベストデザイン賞を受賞しており、また大きな人気を博しました。
この二つは第二次世界大戦の和平合意の際にも使用され、パーカーを代表するペンとして世界に知られています。
その後も革新的な機能性、デザイン性のペンの開発を続け、1962年と1990年の二度にわたって英国御用達(ロイヤルワラント)を授与されています。
現代においてもなお人気の万年筆ブランドとして確立しており、多くのファンに愛されております。