宮増弥左衛門親賢は、小鼓方観世流の祖として知られる人物です。
活躍したのは16世紀前半、室町時代後期であり、小鼓(こつづみ)の名手として知られました。
小鼓は雅楽で用いられる打楽器で、独特の音色から演奏の中でも中心的な役割を果たします。
能楽や歌舞伎では囃子を演奏する役を「囃子方」と呼び、囃子方は「笛方」「小鼓方」「大鼓方」「太鼓方」で構成されることからも小鼓の重要性が窺えます。
この「小鼓方」にはいくつか流派が存在し、そのうちの一つ「観世流(観世新九郎流)」の祖が宮増弥左衛門親賢となります。
事実上の初代は親賢の弟子である二世観世九郎豊次なのですが、流儀の祖として親賢が数えられます。
小鼓には、胴に「弥左衛門」銘の入った作品がございます。この弥左衛門は、まさしく宮増弥左衛門親賢を指しており、その名高さと希少性から高い評価が期待できます。