西村虚空は、昭和から平成にかけて活躍した尺八(虚鐸)製作者であり演奏家です。熊本県に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)を出て木彫や絵画などの美術に親しみました。
二十代で普化宗尺八の名手・谷狂竹に師事し、虚無僧として全国を托鉢行脚しながら古典本曲の修行を積みました。一般的な尺八(一尺八寸・約54.5cm)の枠にとらわれず、二尺三寸〜三尺を超える長尺管の制作と演奏を追及し、自ら手がけた一管を「虚鐸(きょたく)」と名付けてその第一人者となりました。
彫刻家としての卓越した技量を活かし、管身に繊細な植物や意匠の彫刻を施した作品を多く残しています。地塗りに頼らず太い竹本来の重低音を引き出す製管技術は「虚空管」として高く評価され、国内外の多くの尺八愛好家・演奏家に影響を与えました。






