皆様こんにちは、緑和堂東京支店です。
本日ご紹介する作品はロイヤルウースター製『ペインテッド・フルーツ 絵皿』です。
ロイヤルウースター(Royal Worcester)は1751年に創業したイギリスでも1、2を争う歴史のある陶磁器メーカーです。
イングランドの中西部に位置するウスター州のセヴァーン川のほとりにウィリアム・デイヴィスが開業しました。
1752年に、ソープストーン(硬度が低く石鹸のような質感をもった天然石)を素地に混ぜた軟質磁器を作る「ブリストル工房」を合併し、薄い食器を製造する技術を手に入れ、一気に規模を拡大しました。
1789年にイギリスの陶磁器会社としては初めてロイヤルワラントを賜り、晴れて英国王室御用達の窯となります。
一時は中国製品との価格競争により財政難になりましたが、フランス風のレリーフの技術を取り込むことにより、少しづつ財政を立て直していきます。
その後は、合併を繰り返し規模を拡大していきますが、最後は経営統合などによってポートリオンの傘下となります。
今回のお品物である『ペインテッド・フルーツ』は、ロイヤルウースターの中でも最も代表的な絵柄の一つです。フルーツの絵付けは現在でも手作業で行われており、22金を用いた金彩は7回塗りに加え磨き作業にも半日を要します。食器でありながら額装されている点からも美術品的価値を窺い知ることができます。
今回の作品は保存状態が良好であったことなどからこちらの評価となりました。作品の状態によっては評価が変動する場合もございますのでご了承ください。