今回ご紹介する作品は、薩摩ガラス工芸の『島津薩摩切子 猪口ペア』です。
薩摩ガラス工芸は鹿児島県鹿児島市に工房を構え、主に薩摩切子を製造しており、1985年に復元事業の一環として設立されました。現在はガラスの溶解から成形・カット・研磨まで一貫して行う製造体制を有しています。透明ガラスの上に色ガラスを厚く被せた「色被せガラス」に深いカットを施すことで生まれる、独特のぼかし(グラデーション)が大きな特徴です。
本作は、赤色と黄色の色被せガラスを用いた猪口のペアで、幾何学的なカット文様が全体に施されています。カットの深さによって生まれる色の濃淡が美しく、光の当たり方によって多彩な表情を見せる点が魅力です。実用性と鑑賞性を兼ね備えた、薩摩切子の特徴をよく表した作品です。
こちらの作品は、刻印が施されていることに加えて、状態の良さや桐箱が付属していることから、上記評価となりました。