皆様こんにちは。緑和堂京都南店でございます。
今回はご依頼主様がご実家の蔵を整理された際に発見し、店頭にお持ち込み頂いたお品物をご紹介させていただきます。
今回ご紹介するお品物は、『玉眼 合掌菩薩立像』でございます。
こちらの仏像、一番の注目すべきポイントは目元にあります。お写真ではわかりずらいですが、こちらは玉眼と呼ばれる技法で制作されたお品物で、目には水晶がはめ込まれております。こうすることで本物の瞳のような輝きを表現でき、まるで仏像本体が生きているような表現をすることができます。ここまで玉眼の魅力について解説してまいりましたが、こちらの技法は決して簡単な作業ではありません。まずは目に水晶をはめ込むために目元部分を刳りぬき貫通させ、木屎漆や竹釘で留めて制作します。また小さな水晶には裏から瞳や毛細血管を描き瞳を表現します。特にこの水晶の加工が非常に難しく、玉眼制作を専門にした仏師さんがいたほどだと言われております。
こちらの仏像、形状等はしっかりしておりますが、木材の風化具合や彫りの特徴から推測すると仏像の中では比較的若い江戸後期~幕末頃に制作されたお品物だと思われます。また菩薩から放たれる光を表現した光背が欠損しておりましたが、加工技術の高い玉眼で制作されていたためこちらの評価とさせていただきました。
緑和堂では、仏像の取り扱いを強化しております。
また仏像をはじめ、仏画 仏具 写経などの取り扱いも行っております。
気になるお品物などありましたら、是非緑和堂までお気軽にご相談くださいませ。