今回ご紹介させていただくお品物は、仏師・松久宗琳による木彫作品『聖観音菩薩』です。
松久宗琳は、1926年に京都で生まれ、近代から現代にかけて活躍した日本の仏師です。伝統的な仏像の形を大切にしながら、やさしく品のある表現の仏像を多く制作してきました。父の朋琳と共に手掛けた、金閣寺の「岩見観音像」や「四天王像」が有名です。
本作『聖観音菩薩』は、衣の流れや細かな部分まで一つ一つ丁寧に彫られており、整った全体のバランスを見ても完成度の高い美しい仕上がりだと言えます。今作は松久宗琳の作品の中でも一段需要の高い観音菩薩像で、作家の特色がよく表れる点や、全体のまとまりの良さから、評価を得やすい題材になります。
今回は、作家の作風を十分に堪能できるお品物であり、保存状態も良好かつ光背・台座が揃っている点から、こちらの評価となりました。