川北良造は(かわきた りょうぞう)は、伝統的な挽物技術に現代的な美意識を融合させた作品を手掛ける、人間国宝の木工芸家です。
木の自然な美を尊びつつ、高度な象嵌や漆の技法で用と美を兼ね備えた作品を生み出しています。さらに、教育や文化財復元を通じ、日本の木工芸文化の継承に大きく貢献しています。
今作の「姫小松造 平棗」は、兼六園の姫小松から得た木材を活かし、ろくろ技術による挽物と丁寧な仕上げによって、日常の茶の湯に静かな存在感を与える一品となっています。材質の美しさと作り手の思想がしっかりと感じられる、木工芸の粋を結集させた作品といえます。
シンプルでありながらも深みのある今作は、国内外で高く評価されている点と保管状態の良さも考慮してこちらの評価とさせて頂きました。