今回ご紹介するお品物は、加藤卓男作『ラスター胡姫文彩手付花入』です。
加藤卓男は岐阜県多治見市にある幸兵衛窯の6代目として生まれました。正倉院三彩の復元に尽力し、1995年には三彩の技術において国指定重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。
ラスター彩とは、酸化銀や酸化銅などを含む顔料を用いることで、金彩部分が光の反射によって虹彩を放つ古代ペルシャに伝わる陶芸技法です。約300年前にその技術は途絶えたとされておりますが、加藤卓男は長年にわたり復元を試み幾度もの試行錯誤を重ねた末、美濃で培った日本陶芸の技術と幻とされたペルシャ陶芸の技法を融合させた唯一無二の作品を生み出しました。
名前の中にある、「胡姫」というのは昔の中国においてペルシャなどのアジア西域から来た女性。特に踊り子を指す際の名称です。
今回のお品物は、ラスター彩によって大胆かつ繊細に施された金彩が光の当たり方によってさまざまな表情を見せ、幻想的な輝きを放っております。また艶やかな白の美しさがその金彩をより一層引き立てており、華やかさの中に気品も感じられるものとなっております。
こちらのお品物は、状態も良好かつ箱も残っていたため上記の評価になりました。