井戸川 豊

井戸川豊(いどがわ ゆたか)は、東京都生まれの陶芸家であり、広島大学大学院人間社会科学研究科の教授としても活躍しています。

彼は、伝統的な技法を現代的な感覚で表現する作品で知られ、特に「銀泥彩磁(ぎんでいさいじ)」技法を用いた作品が特徴です。

彼の作品は、身近な野菜や植物をモチーフにしたものが多く、カイワレ大根、トウガラシ、アスパラガス、ホオズキなどが描かれています。これらのモチーフは、彼の作品に瑞々しさと生命力を与えています。

伝統と現代性を融合させた独自の美学を持ち、陶芸の新たな可能性を切り開いています。彼の作品に触れることで、日本の陶芸の深さと広がりを感じることができるでしょう。

古川 隆久

古川隆久(ふるかわ たかひさ)は、益子焼の伝統を受け継ぎながらも、独自の感性で彩り豊かな作品を生み出してきた陶芸家です。

東京都に生まれ、東京藝術大学を卒業後、岐阜県の陶磁器試験所や栃木県の塙陶苑で研鑽を積みました。1973年には栃木県益子町に自らの窯を築き、本格的に陶芸活動を開始します。

1976年に、日本工芸会の正会員に認定されます。晩年には画家としても活動しており、表現の幅を広げていきました。

作風の特徴は、伝統的な益子焼の土味を活かしつつ、釉彩による優雅な絵付けで現代性を獲得した造形です。白釉上に描かれる筆跡は静謐である一方、色の勢いや構成には鮮烈な印象が宿ります。

伝統を受け継ぎつつ、若手作家による現代的な作品も多く、暮らしに寄り添う器として幅広い世代に支持されています。

JULIUS KEILWERTH ユリウス・カイルヴェルト

ユリウス・カイルヴェルトは1925年創業のドイツの老舗サクソフォーン製造会社です。

創業者ユリウス・カイルヴェルトは、元々チェコスロバキアにあるコーラート社に弟子入り後、兄弟のマックスと共に1925年頃に自宅でワークショップを開きます。ここから欧州を代表するサクソフォーンメーカーの1つとして歩んでいきます。第二次世界大戦後、同社は現在の本社があるドイツのナウハイムに移転しています。

合併や買収を経て今現在カイルヴェルトは、ソプラノサックスからバスサックスまで、学生向けモデルからプロ向けモデルまで幅広く製造・販売しており、欧州をはじめ世界中の愛好家から長く愛されています。

Ideal Toy Company アイディール・トイ・カンパニー

ロシア生まれの実業家・発明家のモリス・ミクトムと妻のローズ・ミクトムは、1903年に「テディベア」を発明し、ブルックリンで「Ideal Novelty and Toy Company」を設立しました。
第二次世界大戦後のベビーブーム期に、アイディールはアメリカ最大の人形製造会社になりました。

ローズは、子供たちのためにオリジナルの「テディベア」を作りました。
1938年にモリス・ミクトムが亡くなると、社名を「Ideal Toy Company」に変更し、ミクトムの祖父・エイブラハム・カッツが最高経営者責任者となります。

アイディール社の最も長く愛された製品の一つとしては、「Betsy Wetsy(ベッツィ・ウェッツィ人形)」があります。これに続いて、1934年にデビューした「シャーリー・テンプル」は、彼らのベストセラー人形となりました。
さらに、ディズニーライセンス人形、ジュディ・ガーランド人形なども発売しています。

第二次世界大戦後、化粧品をベースにした人形シリーズが2つ発売されました。1940年代末に「トニー」が発売され、続いて1950年代に主流となった「ミス・レブロンシリーズ」が発売となります。

また、1980年にハンガリーから輸入し、「ルービックキューブ」と改名したマジックキューブが大ヒットし、ルービックキューブは2014年に全米玩具殿堂入りを果たしました。

北岡 秀雄

北岡秀雄(きたおか ひでお)は、伝統工芸と現代造形を融合させた陶人形作家です

博多人形の流れを汲みながらも、より美術的・彫刻的な表現を追求し、

温かみと品格を併せ持つ作品世界を築き上げました。

その作品は、実用性よりも「造形美・精神性」を重視しており、特に「伝之雛」シリーズは、陶芸的雛人形の中でも代表的存在として知られています。

彼の作品は、日展や日本現代工芸展への出品歴があり、評価も高いです。市場でも一定の取引があり、愛好者にとって価値のある物とされています。

欧豪年

欧豪年は現代台湾画壇の第一人者として知られる中国出身の水墨画家で、嶺南派の代表的な画家です。1935年に高東省で生まれ、17歳で嶺南派の巨匠である趙少昂に師事し、その画技を継承しました。

嶺南画派の画風を受け継ぎながら、伝統的な技法に西洋の要素や現代的な感覚を取り入れた中西融合の独自の画風が特徴となります。

その作品は山水、花鳥、人物、動物などの幅広い題材を扱い、特に山水画における水の表現や生気にみちた虎の描写などで高い評価を受けています。

彼の作品は嶺南派特有の鮮やかな色彩と、伝統的な水墨画の余白や骨法を融合させた力強い気勢と生き生きとした表現が特徴です。

晩年には詩調や書道も画中に深く溶け込ませ、東洋の人文精神を体現する現代画家の一人として、国際的にも高く評価されています。

 

九鬼 隆一

九鬼 隆一(くき りゅういち)は、国内のカスタムナイフ界で活動するナイフ作家です。彼の作品は、ナイフとしての「切る・使う」機能を備えつつも、「デザイン性・素材の美しさ・意匠性」に強くフォーカスされたものが多いです。 「デ …

沖 泰宣

沖泰宣(おき やすのぶ)は現代の創作こけし界を代表する作家の一人です。 1955年に福岡県で生まれ、総計美術学校造形科で学んだ後、1982年に「現代の名工」として知られる義父の関口三作氏に師事し、創作こけしの制作の道に歩 …

マイケル・ルー

 Michael Leu(マイケル・ルー)は1950年に台湾で生まれたポップアート作家、イラストレーターです。 「ルーグラフ」と呼ばれる、コンピューターで描画・配色・製版を行う版画技法が有名です。 幼少期から「絵画の天才 …

赤鶴一透斎吉成

赤鶴一透斎吉成は、南北朝時代に活躍したとされる能面師です。 名を吉成、号を一透斎、通称を赤鶴としました。 鬼面を得意としており、「能面十作」の一人としても知られています。 能面は、能楽の起源である猿楽・田楽を背景に、鎌倉 …

坂田 泥華

坂田 泥華は、代々続く萩焼の名家(深川萩四家の一つ)として知られています。 荻焼は、朝鮮李朝の陶工・李勺光が文禄・慶長の役(1592~1598年)の頃に来日したことから始まりました。その後、始祖である李勺光の流れをくんで …

浅見 隆三

浅見 隆三(あさみ りゅうぞう、1904年9月26日 – 1987年7月23日)は、昭和時代を代表する日本の陶芸家であり、日展参事を務めた人物です。 京焼の名家である三代目・浅見五良助の次男として生まれ、祖父である二代目 …

おかや木芸

おかや木芸は、島根県で1952年に創業された木芸品の工房です。 「日常生活で使うもの」をテーマに、伝統技術を用いながらも現代的なデザインをしているのが特徴です。 主に希少銘木の「黒柿」を用いた作品を手掛けており、原木の仕 …

市野 雅彦

市野雅彦(いちの まさひこ)は、兵庫県丹波篠山市出身の現代陶芸家で、丹波焼(丹波立杭焼)の伝統を受け継ぎながらも、独自の造形美やコンセプトを追求する作家です。 丹波の土「赤土部(あかどべ)」を用いた深い赤と黒のコントラス …

今尾 景年

今尾景年は、京都出身の日本画家で、花鳥画を得意としました。 初め梅川東居に浮世絵を学び、その後、鈴木百年に入門しました。 青年期は百年の影響もあり、南画風の絵柄が見られましたが、四条派の流れを受けて写生に根ざした緻密な描 …

浜田 知明

浜田知明は、日本の版画家・彫刻家です。1917年に熊本県で生まれ、2018年に100歳でこの世を去るまで、多くの作品を残しました。若い頃、戦争の影響を大きく受け、20代の大半を軍隊で過ごした経験から、戦争の悲惨さや残酷さ …

浅野 陽

浅野 陽は1923年、東京都本郷に生まれました。幼少期から芸術に興味を持ち、漆作品の勉強に励みました。その後、東京美術学校で富本憲吉や藤本能道らの作品に触れ、強く感銘を受け、自らも陶芸作家の道を志しました。1962年に入 …

淡島 雅吉

淡島 雅吉(あわしま まさきち)は、日本のガラス工芸家・デザイナーで、「しづくガラス」と呼ばれる作品群で特に知られています。 日本美術学校(図案科)を 1933年に卒業。そこで染色工芸家・広川松五郎から指導を受けます。 …

金重 愫

金重愫(かねしげ まこと)は岡山県出身の陶芸家です。1945年に備前焼の名工である金重素山の長男として生まれ、叔父には金重陶陽がいます。 京都大学農学部を卒業後、父である金重素山に師事し1979年に独立しました。現在は備 …

雲色堂

雲色堂(うんしきどう)は日本・京都に伝わる伝統的な堂号つまり工房名で、とりわけ京都系鉄瓶の中でも名門とされる存在です。 江戸時代に京都で創設された雲色堂は、釜師の名門として知られ、初代は和田信濃大掾 藤原國次(ふじわらく …

山本 長左

山本長左氏は石川県加賀市で活躍する九谷焼の陶芸家で、「藍九谷」と呼ばれる染付け技法に優れた作品を制作されています。 型打ちによる素地に呉須で直接描く染付けは、焼成後に鮮やかな藍色に変化し、独特の風合いを生み出します。19 …

鈴木 那奈

鈴木那奈(すずき なな)は、日本の洋画家です。京都芸術大学(旧・京都造形芸術大学)にて学び、大学院でも洋画を専攻しました。 繊細な筆致と色彩で、女性の内面性を静かに描く詩的な世界観が特徴です。 女性をモデルに、現代を生き …

河野 道一

河野道一(こうの みちひと)は、山梨県甲府市を拠点とする現代の名工であり、甲州水晶貴石細工の第一人者として知られています。 1939年生まれ。昭和33年(1958年)から家業である河野水晶美術に従事し、昭和44年には職業 …

永島福太郎

永島福太郎(ながしま ふくたろう)は、日本の著名な歴史学者で、特に中世日本の都市史や茶道史、奈良地域の歴史研究において重要な業績を残します。 古美術・茶道具に関する多数の著作を執筆し、特に『天王寺屋会記』の編纂・刊行で知 …