江口天童(えぐち てんどう)は、昭和27年(1952年)佐賀県有田町生まれの有田焼絵付師・伝統工芸士です。本名・勝久。
金龍窯にて花鳥図を中心とした絵付け作品を制作し続けています。平成12年(2000年)には国の認定資格である伝統工芸士を取得しました。
江口天童の作風の核をなすのは、豊かな金彩・プラチナ彩を地に敷き、その上に花鳥の意匠を色鮮やかに描き上げる華麗な表現にあります。黄金色に輝く背景の中で、竹・牡丹・南天・菖蒲など四季折々の植物と鳥が生き生きと配される作品は、伝統的な有田焼の絵付け技術の精粋を今日に伝えるものです。金彩の重厚な輝きと絵付けの繊細さを両立させるバランス感覚は、氏自身が「金や銀を生かし、どれだけ絵を華やかに演出できるか」と語るように、長年の修練によってのみ到達し得る境地といえるでしょう。
400年の歴史を持つ肥前有田焼の伝統を守りながら、現代の感性を加えた芸術性を追求し続ける江口天童の作品は、国内外の愛好家から高い評価を得ています。
樋渡 陶六は、繊細な彫刻を施した作品で知られる陶芸作家です。
樋渡は、1913年に愛媛県伊予郡砥部町で生まれました。
砥部工業学校を卒業後、地元の窯元を経て柿右衛門窯に入ります。そこで約20年にわたり彫刻の腕を磨き、のちに独立して白磁の緻密な彫刻を中心に活動を展開しました。特に観音像や花瓶などを多く手がけています。
その後も多くの受賞歴を重ね、1983年には山内町重要無形文化財(陶磁器彫刻技法保持者)に指定されました。
樋渡の作品には、白磁だけでなく青白磁も多く見られます。
青白磁は中国を起源とする焼き物で、主に陶石やカオリンを原料とし、素焼きした器に鉄分を含む釉薬を施して焼成します。青磁器は他の陶磁器よりも釉薬を多く用いるため、焼成時に強い負荷がかかって割れやすく、製作が難しいとされます。
伝統を尊重しながら研鑽を重ねる樋渡の姿勢は、後進にとって大きな指標となりました。彼の作品は、澄んだ青磁の美しさと独自の造形感覚によって、今なお多くの人々を魅了し続けています。
ここでは、酒井田柿右衛門の伝統と作品の特徴についてご紹介致します。
17世紀に酒井田喜三右衛門が赤絵の焼成を成し遂げ、初代酒井田柿右衛門を
名乗ります。
柿右衛門の作品は白い美「濁手(にごしで)」が非常に特徴的です。
佐賀地方の方言で米の研ぎ汁のことを「にごし」と言い「濁手」は米の
研ぎ汁のように温かみのある白色の地肌の色絵磁器で柿右衛門作品独特であり最大の特徴と言えます。
色絵磁器は有田の泉山陶石等を使用した特別な原料と配合、独自の製法で
作られます。柿右衛門の特徴の濁手は柔らかい乳白色をしており柿右衛門の色絵が一番映える素地として創り出されています。
有田焼は改良を続けながら1670年代には柿右衛門式が確立され、その後一時断絶した事はあるが、現代に甦りその製陶技術は国の重要無形文化財の指定を受けています。