原口 卓士

原口卓士は、昭和から平成期を中心に活動した日本の陶芸家です。

原口は京都に生まれ、独協大学卒業後、京都府立窯業訓練校で技術を習得しました。南宋官窯を範とした青磁制作で知られ、個展を中心に活動しています。また、日本国内にとどまらず、アメリカ・ニューヨーク、ワシントンでも開催するなど海外でも活動の場を広げています。

彼は青磁を中心に制作しており、淡く澄んだ青色の釉調を特徴としています。落ち着いた色味と透明感を備えた発色に加え、繊細で端正な造形が見られ、さらに銀彩を取り入れた表現や素地の見せ方にも工夫が施されています。これらの要素により、独自性のある作風が形成されています。

原口卓士は、焼成や釉薬調整が難しいとされる青磁の制作を継続する作家の一人として評価されています。

樋渡 陶六

樋渡 陶六は、繊細な彫刻を施した作品で知られる陶芸作家です。

樋渡は、1913年に愛媛県伊予郡砥部町で生まれました。
砥部工業学校を卒業後、地元の窯元を経て柿右衛門窯に入ります。そこで約20年にわたり彫刻の腕を磨き、のちに独立して白磁の緻密な彫刻を中心に活動を展開しました。特に観音像花瓶などを多く手がけています。

その後も多くの受賞歴を重ね、1983年には山内町重要無形文化財(陶磁器彫刻技法保持者)に指定されました。

樋渡の作品には、白磁だけでなく青白磁も多く見られます。
青白磁は中国を起源とする焼き物で、主に陶石やカオリンを原料とし、素焼きした器に鉄分を含む釉薬を施して焼成します。青磁器は他の陶磁器よりも釉薬を多く用いるため、焼成時に強い負荷がかかって割れやすく、製作が難しいとされます。

伝統を尊重しながら研鑽を重ねる樋渡の姿勢は、後進にとって大きな指標となりました。彼の作品は、澄んだ青磁の美しさと独自の造形感覚によって、今なお多くの人々を魅了し続けています。

井上 康徳

井上 康徳は、白磁を代表する作家の一人として広く知られています。

彫りや釉薬の掛け分けなどの技法を駆使して白磁の表現を追求し、生活の中にとけ込み、見て使って楽しめる器」をテーマに幅広く活躍しました。

1958年、佐賀県有田町にて、人間国宝井上萬二の長男として誕生。
幼少期から白磁に親しみ、その世界に次第に魅了されていきます。

父の跡を継ぐにあたり、井上は「陶芸以外の様々な経験をして、それを作陶に活かしたい。それは大学卒業後でも遅くない。」と考えました。
そして大学卒業後、父からろくろ技法を学び、1983年には「日本伝統工芸展」に初入選。その後も数々の入賞・受賞を重ね、着実に実績を築いていきます。

白磁の美しさに現代的なデザイン感覚を融合させた作品は、「人間国宝の息子」という重圧を超え、独自の魅力を放ちました。
その確かな技術と感性は、国内外で高く評価されています

さらにその情熱は次世代へと受け継がれ、三代目の井上祐希は、ストリートカルチャーと伝統を融合させた新たな白磁表現を切り開いています。