原宏之氏は、1961年に福島県で生まれた日本画家です。
もともとは独学で油彩画を描いていましたが、のちに日本画へと転向します。そして特定の美術団体に属さない「無所属」の画家として独自の画風を築き上げました。
彼の作品の大きな魅力は、「清澄な空気感」と「叙情的な風景描写」にあります。油絵で培った感性や空気感の描写力を生かし、山岳や渓流、古寺といった日本の四季折々の風景を、繊細なタッチとさわやかな色彩で描き出しました。透明感のある画面構成が、観る者に深い安らぎと郷愁を印象付けます。
その確かな実力は高く評価されており、外務省による作品の買い上げ実績があるほか、現在は全国の百貨店での個展を中心に精力的に活動を続けています。
歌川芳員は、幕末から明治初期にかけて活躍した歌川派の浮世絵師です。名門・歌川国芳の弟子であり、一寿斎や一川、一川斎などの号を用いました。
作画期は嘉永頃から明治初期に及びます。当初はダイナミックな合戦絵や武者絵、花鳥画を手掛けました。芳員が最もその才を発揮したのは横浜開港以降です。異国の人々の生活風俗や、蒸気船、蒸気車といった近代的な風景を鮮麗に捉え、数多くの「横浜絵」を手掛けました。激動する時代の転換期における未知の異文化への好奇心をいち早く描き出し、横浜絵の第一人者として高く評価されています。
また、「東海道五十三次内 大磯」に登場する「虎子石」のようなユーモラスで独創的なキャラクターを描いたことでも愛されています。
外山 寛子氏は1984年宮崎県に生まれた日本画家で、現在も活動的に制作を行っている人物です。
金箔や金泥、色箔を背景に用いた伝統的ながら華やかな画面構成と、柔らかな色彩による生命感の表現が高い評価を受けています。「生の祝福」や「命の循環」といった主題が一貫して見られ、写実と装飾のバランスをとりながら、自然界のモチーフを瑞々しく描く点が特徴的です。
また個展やグループ展を日本各地で開催しており、それ以外にもホテルの壁画制作や商品パッケージへの起用など幅広い活動を行っています。日本画の伝統的素材を用いながら、現代的な感覚で自然観を再構築する作家として位置づけられています。
ドイツを拠点に国際的に活躍する現代画家、マックス・ノイマン(Max Neumann)は、人間の内面や存在の根源を揺さぶる独自の画風で知られています。
1949年にドイツのザールブリュッケンで生まれた彼は、カールスルーエ芸術大学やベルリン芸術大学で学びました。彼の作品の最大の特徴は、「顔のない人物像」です。輪郭のみが強調されたシルエットや、目鼻立ちを排した頭部は、特定の個人ではなく「人間そのもの」の孤独や静寂を象徴しています。
彼の作風は、新聞、雑誌、夢、記憶といった多様な断片を再構成する手法をとっており、背景を排した無機質な空間に配置されることで、見る者に強い心理的な緊張感と深い想像を促します。色彩は黒を基調としながらも、時折差し込まれる鮮やかな色が感情のアクセントとなり、静謐ながらも力強いメッセージを放ちます。
これまでに世界中で150回以上の個展を開催しており、ベルリン国立美術館など著名な美術館に作品が収蔵されています。そのミステリアスで詩的な表現は、現代アートシーンにおいて高く評価されています。
森内敬子は、具体美術協会の最後の会員として知られる現代美術家です。
森内は大阪府に生まれ、1962年に大阪樟蔭女子大学国文学科へ入学し、具体美術協会の設立者・吉原治良に師事しました。1965年に渡米した後はニューヨークを拠点に活動し、イサム・ノグチやアド・ラインハートらと交流を深め、前衛美術や抽象表現の影響を受けながら独自の芸術表現を築いていきました。1968年には具体美術協会に加入し、グループが解散する1972年まで在籍しました。
森内敬子の作品は、多彩な色彩を用いた抽象的な表現を特徴とし、独自の世界観を持つ作風として知られています。構図には幾何学的な構成を思わせる作品も見られ、作品によっては金や白金を取り入れることで、静謐さの中に華やかさや奥行きを感じさせる画面を生み出しています。近年の作品では、スパイラルや反復的なモチーフを用いた抽象表現も多く見られます。
森内敬子は、反復や構造性を取り入れた抽象表現を通じて、独自の作品世界を展開した作家と位置づけられます。
レイチェル・ニコルソン(Rachel Nicholson)は、イギリス出身の画家です。父は抽象絵画で知られるベン・ニコルソン、母は彫刻家のバーバラ・ヘップワースであり、戦後イギリス美術を代表する芸術家一家に生まれました。
筆を執ったのは40代になってからで、油彩・アクリルによる静物画や室内風景を中心に制作を始めました。器物やテーブル上のモチーフを単純化された形態と抑制された色面構成で描くのが特徴です。写実性よりも形と色の関係性を重視し、半抽象的な画面構成を通じて静謐な空間性を表現しています。
彼女の作品はイギリスのみならず世界各国で愛され、父のベン・ニコルソンとの展覧会が近年アメリカで開催されました。