アウガルテンは、1718年にオーストリア・ウィーンにて創業された磁器ブランドです。ヨーロッパで2番目に作られた磁器工房という長い歴史を誇っており、世界で初めて磁器によるコーヒーカップを手掛けたとされています。
1744年に女帝であるマリア・テレジアによって皇室直属の磁器窯となり、その頃からハプスブルク家の紋章を商標として用いるようになりました。19世紀頃になると、ハプスブルク家の衰退や安価な大量生産品の流通によって閉鎖に追い込まれますが、1924年にアウガルテン宮殿に工房を移して再興されました。
アウガルテンの品は時代ごとに作風が違います。歴史的な背景や価値観が反映された、様々な時代の魅力を堪能できるのも長く愛される理由の一つです。ウィーンの伝統と美意識が息づく美しい品々にはファンも多く、今もなお高級磁器ブランドとして世界中で評価されています。
KOSTA BODA(コスタボダ)は、ヨーロッパに現存する中で最も古い歴史をもつガラスブランドとして知られています。
1742年にスウェーデン南部スモーランド地方で「コスタ」というガラス工場が設立され、その後「ボダ社」との合併を経て、1971年に「コスタボダ」へと社名が変更されました。
初期はガラス窓やシャンデリア、グラスなどを手掛け、1840年代からはプレスガラスの生産を始めました。
現在は「オレフォス社」とも合併し、「オレフォス コスタボダ」として活動を続けています。
専属デザイナーと熟練職人の手による優美なガラス製品は、スウェーデン王室の晩餐会でも使用されました。
長い歴史の中で培われた知識と技が生み出す洗練されたデザインは、日常に特別な輝きを添えてくれます。
日本を代表する江戸切子職人の一人であり、木村氏が手掛ける品物は、透明感の高いクリスタルガラスを使用し、更にそこに高い技術力を必要とする「菊籠目紋」「菊繋ぎ紋」を重ねて表現されているのが特徴的です。
江戸切子職人の父から誘われて仕事を手伝うことをきっかけにこの世界に入った木村氏ですが、当時は継ぐことを考えていなかったそうです。しかし、続けているうちに江戸切子の世界に魅了されていき、今現在は全国各地の高島屋で「手造り硝子展」を開催するなど、活躍の幅を広げております。
また、1992年には東京都伝統工芸士に認定されており、その技術は確かなものとして都知事より認定を受けています。
各務鑛三(かがみ こうぞう)は、茨城県を拠点とする日本有数のクリスタルガラスメーカー『カガミクリスタル』の創業者です。
1913年に現在の愛知県立瀬戸工科高等学校を卒業後、東京科学大学に進学しました。同大学では、後に重要無形文化財【型絵染】の保持者として人間国宝に認定された芹沢銈介や、1年後に入学した後の人間国宝濱田庄司と親交を深め、生涯にわたる交流を持ちました。
カガミクリスタルの代名詞ともいえる技術であるグラヴィールとは、鉛の含有率が高く透明度の高いクリスタルガラスに、回転する銅板を当てて模様を彫り込む技法です。この作業はすべて職人による手作業で行われるため、非常に精緻で高い評価を受けています。
カガミクリスタルは、花瓶や灰皿、オブジェなどの製品でも知られていますが、その卓越した加工技術は、国内外で高く評価される洋酒のボトルにも採用されています。また、化粧品の香水瓶の制作や、官邸で使用される水差しなどにもその製品が採用されており、その品質と美しさが広く認められています。
オールドノリタケは、ノリタケ製の陶器の中で1800年代末から第二次世界大戦までに作られたアメリカ輸出用の物を指します。輸出用に作成されていたため日本ではあまり流通しておらず、アメリカでアンティークとして人気です。オールドノリタケと呼ばれるようになったのは1990年頃で、英語では「EARLY NORITAKE」と呼ばれています。
オールドノリタケの特徴は製造時期だけでなく製法にもあります。現ノリタケは転写紙などを使用した大量生産のニーズに応えた製法ですが、オールドノリタケは手作業で描かれる美しい絵付けや精巧な細工が施されており高い芸術性を持っています。
オールドノリタケのデザインの特徴として、当時の世の中の生活様式の変化や芸術などを積極的に取り入れていることが挙げられます。そのデザインについても大まかに二つに分けられており、オールドノリタケの初期商品に見られる、多彩な絵の具と金彩で仕上げられたアールヌーボー様式。人々が楽しみや快楽、また風変わりなものを求めてパリ万博以降に世界に広がったアールデコ様式と分けられます。
どちらの商品についても手彩色に金彩が施されているなど、優美さと豪華さを兼ね備えている一級品です。
オールドノリタケの見極めについては、重さや質感や技法など見極め方法がいくつかありますが、一番わかりやすいのは商品裏面にあるバックプリントです。バックプリントは30種類あり印の形や色からも時代が分かるようになっています。さらに、作られた時代だけでなく輸出先や作られた工場や産地なども分かるようになっています。もちろんあまり流通していないバックプリントも存在しており珍しい商品は高額で取引が行われています。
1830年創業フランスのシルバーウェアの老舗ブランド
フランス王ルイ・フィリップやナポレオン3世の時代から、王家御用達として世界の王族貴族に多くの銀器を納めました。
「食卓の芸術品」として広く知られ、パリ・ルーブル美術館などにも今なお数々の作品が展示されています。
世界各国の大使館、公邸、一流ホテル、有名レストランなどでも愛用されており創業以来「創意・伝統・品質」を理念とし、創業者のモットーである「唯一の品質、それは最高の品質」を忠実に守り続けています。
Cristofle(クリストフル)はフランスのパリに本社を持ち1830年、宝石商のシャルル・クリストフルが創立した銀製品の老舗メーカーです。
創業者シャルル・クリストフルの掲げた信条は「オンリーワンの品質」でした。
当初からこの信条に忠実にあり続ける為の必要条件として「常に最新の生産技術を用い、製品品質を継続して高めることで、生産性を高めることが必要」と掲げ、その言葉どおりに常に技術革新を行いました。たちまちクリストフルは銀食器市場の開拓者にして市場におけるリーダーの地位を確立します。
1844年頃にはクリストフルは大量生産の体制を整え、19世紀のクリストフルの銀製品を今でも世界中のアンティークショップや蚤の市で見ることができます。その圧倒的な人気を象徴するようにヨーロッパ各国の銀工房がクリストフルを模倣したと言われています。