道上正司(みちかみ しょうじ)は、石川県輪島市を拠点に活躍した漆芸作家です。輪島塗を代表する加飾技法「沈金(ちんきん)」の名手として知られ、繊細な線刻と卓越した技術によって生み出される格調高い作品を数多く手掛けました。
また、高級蒔絵万年筆ブランド「NAMIKI」の制作を担う蒔絵作家集団「國光會」の一員としても活動し、沈金技法を用いた最高級万年筆の制作にも携わっています。その優れた技術は国内外で高く評価され、日本の伝統漆芸の魅力を世界へ発信した作家の一人として知られています。
沈金は漆芸における代表的な装飾技法の一つです。漆を塗り重ねて硬化させた表面に専用の沈金刀で文様を彫り、その溝に漆を摺り込んだ後、金箔や金粉を埋め込むことで、繊細な文様を表現します。線彫りや点彫り、片切彫などさまざまな技法を組み合わせることで、立体感や陰影を生み出せるのが特徴です。
線が細く繊細なため描線が立体的に見え、金や銀の光沢によって豪華さを演出することができます。
道上正司の作品には、漆黒の地に金の線を生かした沈金作品などが確認されており、繊細な彫線や点彫を用いた表現が見られます。
1916年群馬県出身の象牙彫刻家の荒巻秀美さんは、繊細な彫りの技術と細かな表現力が特徴的な彫刻作家さんです。秀作展や象牙彫刻展などで数々の賞を受賞されています。
主な作品は象牙や珊瑚の彫刻作家となり、花をモチーフとしたネックレスや帯留めが主流ですが、中には細かな彫刻と高い技術力が表現されている彫刻置物もございます。世に出回る作品数は少なく、二次流通品もすぐに買い手が付くほどの人気作家となります。
年々象牙彫刻の相場は、条約や取り扱う市場が減っていっていることから下降傾向ですが、銘が確認できる作家さんは依然高い評価での取引がなされており、荒巻秀美さんもそのうちの一人です。
今後は象牙や珊瑚の取り締まりが厳しくなっていく一方かと思いますが、美しい彫刻作品は時を超えて、その美しさに魅了されるでしょう。
さらに、宮内庁御物、東京国立博物館・東京藝術大学所蔵品修復などご活躍されていました。
谷口康隆(本名・康則)は高知県の珊瑚彫刻作家です。最高級の天然珊瑚から生み出されるその作品は、非常に細かな造形と、筋肉の動きまで見て取れるような躍動感あふれる作品となっています。一本枝の珊瑚による緻密な立体造形の姿は、まさに圧巻というほかありません。
作品の種類も多岐に渡っており、縁起物の飾りや置時計、菩薩像や香合と様々な作品が存在します。ときには鼈甲と組み合わせた作品を制作することもあり、その表現は多彩です。
優れた彫刻技術はコンテストでも高く評価されており、高知県珊瑚名作展高知県知事賞や国際珊瑚展入賞といった成績を残しています。2009年には高知県の伝統技能継承者、「土佐の匠」にも認定されるなど、今後の活躍も期待されます。