ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワーとは 廃盤シリーズの種類や現在の流通状況を解説

ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワー

ロイヤルコペンハーゲンを代表する伝統シリーズのひとつが「ブルーフラワー」です。花束を描いた華やかな絵柄と、絵付師によるハンドペイントの温かみが大きな魅力ですが、現在は廃盤となっており、その希少性が注目を集めています。本記事では、以下のポイントを中心に解説していきます。

  • ブルーフラワーの歩みと製造工程
  • プレイン・カーブ・アンギュラーという3種類のバリエーション
  • ブルーフルーテッドとの違い
  • 廃盤後の流通状況と品質を見極めるポイント

ロイヤルコペンハーゲン ブルーフラワーとは 概要と歴史

ブルーフラワーは、ロイヤルコペンハーゲンの創業初期から続く伝統的な絵柄のひとつで、白磁の上にコバルトブルーで花束が描かれているのが特徴です。ここでは、その誕生の背景と、製造を支える根幹的な技術についてご紹介します。

ブルーフラワーの誕生と歴史的背景

ロイヤルコペンハーゲンは1775年、デンマーク王室の庇護のもとコペンハーゲンで創設された磁器製造所です。ブルーフラワーはその創業から数年後の1779年頃に登場したとされており、ブランドそのものとほぼ同じ長さの歴史を歩んできたシリーズといえます。

18世紀後半のヨーロッパでは、中国や日本の染付磁器の影響を色濃く受けた作品が数多く作られました。ブルーフラワーもその潮流を受け継ぎながら、デンマーク独自の感性でチューリップやバラなど庭園に咲く花々をモチーフに描き上げています。長い年月の中でさまざまな形状やデザインの派生を生み出しつつ、ロイヤルコペンハーゲンの伝統を象徴する存在として愛され続けてきました。

下絵付けとハンドペイントによる製造工程

ブルーフラワーの制作には、ロイヤルコペンハーゲンが誇る伝統技法「下絵付け」が用いられています。下絵付けとは、素焼きの磁器に絵を描いた後で釉薬をかけ、本焼成する技法のことです。絵柄が釉薬の下に閉じ込められるため耐久性に優れ、長い年月を経ても色褪せしにくいという特性を持っています。

主な工程は次の通りです。

  • 素焼きの白磁を準備する
  • 絵付師が筆でコバルト顔料を用いて花柄を手描きする
  • 全体に釉薬をかける
  • 高温で本焼成し、白磁と絵柄を定着させる

絵柄はすべて絵付師の手作業によるハンドペイントで仕上げられ、機械では表現できない繊細な筆づかいと温かみが宿っています。

ブルーフラワーを構成する3つのバリエーション

ブルーフラワーには、絵柄は共通していてもフォルムが異なる3つの主要なバリエーションが存在します。それぞれに独自の造形的な魅力があり、コレクターの間でも好みが分かれるポイントとなっています。

プレイン 編み込みレリーフが特徴の定番形状

「プレイン(Plain)」は、正式には「ブレイデッド(Braided、編み込み)」と呼ばれるバリエーションの、日本国内での通称です。海外の専門店では現在もブレイデッドの名称で扱われていますが、国内では古くからこの呼び名が広まり、定着したとされています。

飲み口やソーサーの縁に編み込みを思わせるレリーフ装飾が施されているのが特徴です。白磁の面にのびやかに描かれた花束の絵柄と、縁のレリーフが組み合わさることで、繊細ながらも表情豊かな佇まいを生み出しています。

プレートやカップ&ソーサーといった基本アイテムに加え、大型のプラターやスープチューリンなど、幅広いラインナップが展開されてきました。縁の編み込みレリーフが上品なアクセントとなり、日常使いからおもてなしの場まで幅広いシーンで親しまれてきました。

カーブ 波打つレリーフが施された形状

「カーブ(Curved)」は、器の縁や表面に波打つようなレリーフが施されているのが最大の特徴です。エッジの起伏やわずかに非対称な形状が生み出す立体感が、絵付けの花束と組み合わさることで、より優雅で華やかな趣を醸し出します。

光の当たり方によってレリーフが陰影を描き、テーブルの上で表情を変える点も魅力のひとつです。3つのバリエーションの中でもクラシカルで装飾性の高い佇まいを持ち、フォーマルなシーンで好まれる傾向があります。

アンギュラー 直線的でシャープなデザイン

「アンギュラー(Angular)」は、プレインやカーブとは対照的に、直線的な稜線を持つフォルムが特徴のシリーズです。丸皿が主流のブルーフラワーの中で、シャープで幾何学的なシルエットが独特の存在感を放ちます。

角のあるエッジと白磁のコントラストが凛とした雰囲気を生み、モダンなテーブルにも合わせやすいバリエーションです。生産量は他の2種類と比べて少なめとされ、希少性の観点からも中古市場で注目される存在となっています。

ハンドペイントによる特徴とブーケの種類

ブルーフラワーは、そのすべてが職人の手描きによって仕上げられています。そのため、同じ商品名であっても一点ごとに微妙な差異が生まれ、それが個性として愛されているのです。

組み合わせが異なるチューリップやバラなどの花柄

ブルーフラワーに描かれる花のモチーフには、チューリップ、バラ、カーネーション、勿忘草などがあり、絵付師が数種類の花を組み合わせてブーケを構成していきます。基本的なデザインルールはあるものの、どの花をどの位置に、どの向きで配するかについては絵付師の裁量に委ねられている部分があります。

そのため、同じ品番のプレートを2枚並べた際に、花の組み合わせや配置が微妙に異なることも珍しくありません。この「一点物」ともいえる要素は、ハンドペイントならではの魅力であり、コレクションを重ねるほどに個体差の妙を楽しめます。

絵付師ごとに異なるバックスタンプのサイン

器の裏面には、ロイヤルコペンハーゲンを象徴する三本の波線(デンマークを囲む三つの海峡を表しています)と王冠のバックスタンプが記されています。加えて、ブルーフラワーには絵付けを担当した絵付師のイニシャルやサイン(ペインターサイン)が書き添えられているのも特徴です。

このサインは、その一点を仕上げた絵付師本人を示すもので、ハンドメイドの証であるとともに品質への責任を表しています。バックスタンプの様式は年代によって変化しており、サインと併せて確認することで、製造時期を推定する手がかりにもなります。

ブルーフルーテッドとブルーフラワーの違い

ロイヤルコペンハーゲンには、ブルーフラワーと並んで有名な「ブルーフルーテッド」シリーズがあります。どちらも青と白の絵柄が特徴のため混同されがちですが、モチーフや歴史には明確な違いが存在します。

モチーフとデザインの方向性の違い

ブルーフルーテッドは、中国風の唐草模様を基調にデザインされたシリーズで、器全体に連続する繊細な文様が展開されるのが特徴です。エッジの縦筋(フルート)状の造形と、緻密な線描による装飾性が魅力といえるでしょう。

一方のブルーフラワーは、庭園に咲く花々をブーケとしてまとめたモチーフが中心で、絵画的で自然主義的な印象が強いのが特色です。ブルーフルーテッドが「文様の美」を追求しているのに対し、ブルーフラワーは「花束の美」を描き出していると整理できます。

製造時期とシリーズ展開の比較

両シリーズの概要をまとめると以下の通りです。

シリーズ名ブルーフルーテッドブルーフラワー
誕生年1775年頃1779年頃
モチーフ唐草模様花束(ブーケ)
主なバリエーションプレイン、ハーフレース、フルレースプレイン(ブレイデッド) 、カーブ、アンギュラー
現在の生産状況継続生産中廃盤

ブルーフルーテッドが現在も定番商品として生産され続けているのに対し、ブルーフラワーはすでに廃盤となっている点が両者のもっとも大きな違いです。

現在は廃盤 ブルーフラワーの流通状況と製造国について

ブルーフラワーはすでに正規のラインナップから外れており、新品の入手は難しい状況にあります。ここでは製造国の変遷と、現在の市場での流通事情について解説します。

デンマーク製とアジア製による製造時期の違い

ロイヤルコペンハーゲンは長らくデンマーク本国のコペンハーゲンで生産を行ってきましたが、経営環境の変化に伴い、一部の製品について製造拠点をタイなどアジアに移した時期があります。ブルーフラワーにも、デンマーク製のものとアジア製のものが存在しています。

一般的に、初期から中期にかけて製造されたデンマーク製のものは希少性が高く評価される傾向にあります。バックスタンプには「Made in Denmark」や「Made in Thailand」といった表記があるため、購入時や所有品の確認の際にはこの記載をチェックすることで、おおよその製造地を判別できます。

廃盤以降の流通経路と市場での現状

ブルーフラワーはすでに廃盤となっているため、ロイヤルコペンハーゲンの正規店やオンラインストアで新品を購入することはできません。現在、市場に出回っているのは基本的に中古品やヴィンテージ品となります。

主な流通経路としては、アンティークショップやリサイクルショップ、フリマアプリ、ネットオークションなどが挙げられます。人気の高いアイテムや保存状態の良いデンマーク製の初期品は、希少性の観点から高値で取引されるケースも見られます。一方で、比較的近年に生産された品や状態に難のあるものは、手に取りやすい価格帯で流通していることもあります。

ブルーフラワーの品質を判断する基準と状態の確認方法

中古で流通するブルーフラワーを選ぶ際には、いくつかの品質判断のポイントを押さえておくと安心です。ロイヤルコペンハーゲンならではの品質基準と、物理的な状態の両面から確認していきましょう。

スクラッチの有無による一級品と二級品の違い

ロイヤルコペンハーゲンでは、製品の品質等級を示すために、バックスタンプの三本の波線に「スクラッチ(引っ掻き線)」を入れる伝統的な手法が用いられてきました。このスクラッチの入り方によって、一級品と二級品などの品質グレードが区別されます。

一般的には、スクラッチが入っていないものが一級品、波線の上に一本の線が入っているものが二級品と判別されます。中古品を選ぶ際にはバックスタンプを確認し、スクラッチの有無を見ることで、そのアイテムが本来どの品質基準に位置付けられていたかを把握できます。

ヒビや欠けなどの保存状態が与える影響

長年使われてきた中古品では、物理的な保存状態が評価に大きく影響します。主に確認すべきポイントは以下の通りです。

  • ヒビ(貫入や割れ)の有無
  • 縁の欠けや削れ
  • 絵付けのカスレや退色
  • 表面の擦り傷や使用による曇り
  • 汚れやシミの付着

これらの状態は、鑑賞用としても実用としても価値に直結します。特にヒビや欠けがあるものは評価が下がる傾向にあり、逆に長い年月を経てもきれいな状態を保っているものは価値が高まります。購入前には写真や実物で細部までしっかり確認することが大切です。

まとめ

ロイヤルコペンハーゲンのブルーフラワーは、1779年頃に誕生した歴史あるシリーズで、プレイン・カーブ・アンギュラーという3つのバリエーションが展開されてきました。下絵付けとハンドペイントによる一点物の魅力を備えながらも、現在は廃盤となっており、中古市場でのみ入手できます。バックスタンプのスクラッチや保存状態を確認しながら、その希少性と美しさを長く大切に受け継いでいきましょう。

この記事の監修者

株式会社 緑和堂
鑑定士、整理収納アドバイザー
石垣 友也

鑑定士として10年以上経歴があり、骨董・美術品全般に精通している。また、鑑定だけでなく、茶碗・ぐい吞み、フィギュリンなどを自身で収集するほどの美術品マニア。 プライベートでは個店や窯元へ訪れては、陶芸家へ実際の話を伺い、知識の吸収を怠らない。 鑑定は骨董品だけでなく、レトロおもちゃ・カード類など蒐集家アイテムも得意。 整理収納アドバイザーの資格を有している為、お客様の片づけのお悩みも解決できることからお客様からの信頼も厚い。

査定・鑑定料、出張費すべて無料
お気軽にご来店・ご相談下さい。

  • 京都 五山の送り火 2025 CM放映予定!
  • 出張鑑定会
  • 店頭持ち込み限定キャンペーン実施中
  • 出張買取応援キャンペーン
  • メディア出演実績

こちらのコラムも読まれています