皆様こんにちは。緑和堂大阪店です!
今回は大阪市都島区の出張買取にてお譲りいただきました、桜田慶舟 作『秋の夜蒔絵 棗』についてご紹介します。
棗に限らずですが、漆器の表面には蒔絵が施されていることが多くございます。蒔絵とは、漆で描いた絵や文様に金粉・銀粉などの金属粉を蒔くことで定着させ、漆器を加飾する技法を指します。
基本的な平(ひら)蒔絵、蒔絵を漆器の表面と同じ高さに仕上げる研出(とぎだし)蒔絵、蒔絵の部分を肉厚に仕上げ、文様を高く盛り上げる高(たか)蒔絵など、様々な技法で蒔絵は表現されます。
今回の『秋の夜蒔絵 棗』は蓋側に螺鈿細工が施されております。螺鈿とは、夜光貝などの貝殻の輝く内側の面を漆地にはめ込み、装飾する技法です。月を背後に佇むススキと桔梗。その桔梗の花に、月に当てられて輝くように、端麗な螺鈿が使用されています。まさしく「秋の夜」を思わせる、趣深い一品です。
今回は専用の箱が付随しており、目立つ傷等も見受けられなかったため、こちらの評価となりました。
蒔絵の描かれた棗以外にも、緑和堂では茶道具・茶器を集めております。お手元に手放し予定のものがございましたら、お気軽にお問い合わせください。