こちらは、雅楽の演奏で用いられる「龍笛」と呼ばれる和楽器です。
広い音域を持ち、低音から高音までを大胆に動く音色はさながら龍の鳴き声のようであり、それが名前の由来となっています。
龍笛の特徴として、頭の素材に「錦」が使われていることがあります。また、多くは歌口より頭側に、音を大きくするための鉛が入っております。
同じ横笛の「能管」とよく間違われますが、これらの特徴を押さえておけば判別が可能です。
評価ポイントとしてはまず、煤竹か否かという点が挙げられます。
プラスチック菅や木製菅のものもございますが、本来は煤竹を使うのが龍笛の標準です。竹製かそのほかでは大きく評価が変わります。
また、「錦」の状態、巻の丁寧さなどの全体のバランス、作家銘や付属品の有無も重要なポイントとなります。
龍笛には竹を八つに割り、外皮を内側に返して組み固める「八割返し」という工法があります。より艶のある大きな音が出せるため、高級品には好んで用いられます。
今回の龍笛は竹製であり、笛筒や木箱も併せてお譲りいただきました。作りは丁寧でしたが、頭の錦がほつれてしまっていたことを考慮し、こちらの評価とさせていただきました。