今回ご紹介いたしますお品物は歌川国芳 『本朝水滸伝剛勇八百人一個 岩沼吉六郎信里』です。
「本朝水滸伝剛勇八百人一個」は江戸時代に流行した『通俗水滸伝豪傑百八人之一個』の日本版として登場した作品シリーズです。古典の軍記物以外にも当時の架空のキャラクターからも取り上げられています。
こちらの作品は原典は不明ですが「佐渡国の古沼で大守宮の化しを三ツ迄退治するという」という文があります。実際に佐渡に大隅小太郎という強者が6匹のイモリを退治する話が存在し、その話をモデルにしたと考えられます。
こちらのお品物は経年による擦れなどが多く見られます。しかし、人気絵師の国芳の作品であり侍が妖怪退治をする様子がこちらの評価に繋がりました。
浮世絵をはじめ出版物のお品物は作家に加え、版元によって大きく評価が左右されます。気になるお品物がございましたらぜひお問い合わせくださいませ。