今回ご紹介するお品物は、引間二郎作『木彫り 熊』でございます。
引間二郎は八雲の熊彫作家として知られています。
「八雲」とは、熊彫発祥の地とも言われている八雲町からきています。1931年頃から品評会で評価の高かった木彫りの熊に対して目視で分かるよう、足の裏に「八雲」の焼印を入れ販売され始めたところから、「八雲の熊彫」という一種のブランドが確立されました。
熊彫は主に2種類の彫り方があります。デフォルメが効いた柔らかさを感じつつもメリハリのある「荒彫」と、優雅さある毛の流れを繊細に表現する「毛彫り」です。引間はそのどちらも手掛けます。
奥深さも垣間見える野性味あふれる作風が特徴的で、一点一点の表現の仕方が様々です。
今回のお品物である『木彫り 熊』は「荒彫」に該当します。
柔らかさを感じつつも、鋭いまなざしと熊特有の骨格が引間ならではの彫り方です。本体の保存状態は若干のスレはありましたが、希少性の観点も含め、上記評価額となりました。