宮澤宝泉は、現代の日本を代表する象牙彫刻師であり、特に印材への精密な彫刻や象嵌において極めて高い評価を得ている名工です。
宮澤宝泉氏の手がける本作の魅力は、見る人の心を惹きつける細やかな表現力にあります。特に、純金や純銀を埋め込む「象嵌(ぞうがん)」の技法では、接着剤をいっさい使わずに、素材同士の性質を計算し尽くしてぴったりとはめ込む、非常に緻密な手仕事が施されています。また、美術品としての美しさだけでなく、「月虎」や「飛龍」といった伝統的な図柄のなかに、柔らかな毛並みや夜空に浮かぶ薄雲の揺らぎまでをも感じさせる、優しく深い描写力が息づいています。
今回のお品物は各月を代表する花鳥画が描かれた作品となっております。
貴重な象牙を使った作品で宝泉が得意とする象嵌の技法が使われている点を踏まえてこちらの評価額となります。