今回ご紹介するお品物は、酒井 栄助 『復刻万年筆』でございます。
酒井栄助は、昭和を代表する万年筆職人の一人として知られ、エボナイト軸の挽物(ひきもの)を得意とした名工です。
手作業による精巧な軸作りに定評があり、兜木銀次郎をはじめとする熟練職人たちとともに、高品質な国産手造り万年筆の製作に携わりました。
本作は、天然ゴムを硬化させたエボナイトを軸材に使用し、鮮やかな朱漆で仕上げられた一本です。
深みのある艶を湛えた朱色のボディは、漆ならではの美しさを感じさせ、落ち着いた存在感を放っています。
また、インキ止め機構を採用し、ペン先には14金製を示す「585」の刻印が確認できるなど、細部にもこだわりが感じられる仕様となっています。
本体の保存状態が良好で、外箱も揃っていました。付属品が残る個体はコレクション性の面でも評価されることが多く、こちらの評価額とさせていただきました。