今回ご紹介させていただくお品物は、九代 白井半七 『都鳥香合』になります。
白井半七は貞享の頃より続いた今戸焼の名跡です。
九代白井半七は乾山風の絢爛な色絵を得意とし、茶道具以外にも多岐に渡る作品を残しました。
こちらは伊勢物語などに登場する都鳥をモチーフにした香合です。
現在この「都鳥」は、「ミヤコドリ」の和名を持つ鳥ではなくユリカモメを指していると言われており、本作も白い体色に赤いくちばしがあることからユリカモメをモデルに制作したものと思われます。
今戸焼は浅草や橋場など隅田川近郊で生産されていたため、ユリカモメは陶工たちからしても馴染みの深い鳥であり、歴代白井半七も同一モチーフの作品を数多く残しています。
白に赤い嘴がよく映え、手に収まる大きさでぽってりとした形がかわいらしい一品になっております。
今回の作品は付属品も揃っており、共箱の状態も良好であったことなどからこちらの評価となりました。