今関 アキラコ

今関アキラコ(イマゼキアキラコ)氏は1964年京都にて生まれます。小さいころから絵を描くことが好きだった今関アキラコ氏は10代の頃は屋根裏部屋に閉じこもって絵をずっと描いていました。そして武蔵野美術専門学校に入学します。絵画にのめりこみ、卒業した後は様々な賞を受賞しました。2005年からは毎年フランスへ渡り、その美しい田園風景などを作品として残しています。

今関氏の作品の特徴はなんといってもその明るい色使いと、緻密な筆運びにあると思います。今関氏の作品は花を描いたものや風景画が多いですが、目の前にあるものを今関氏が感じたままにのびのびと描いているようなそんな印象を受けます。今回の作品である薔薇は力強い赤や、可愛らしいピンク等様々明るい色を多用しています。また風景画等もそうですが細かい部分の描写が素晴らしいです。花でいうなら花びら一つ一つまで丁寧に描いています。今関氏は現在も各地で個展を開き、作品も精力的に製作されていますのでどこかの機会で見に行かれることをお勧めいたします。

流 政之

流政之(ながれ まさゆき)は長崎県出身の彫刻家・作庭家です。刀鍛冶や装丁家としても知られております。

1923年に生まれ、幼少期を東京で過ごしました。若い頃は海軍飛行科予備学生として戦争に参加しましたが、戦後は彫刻に専念することを決意しました。独学で彫刻を学び、1963年にアメリカに渡ります。彼の作品『受』は1960年にニューヨーク近代美術館に永久保存され、国際的な評価を得ました。1964年のニューヨーク世界博覧会での壁画『ストーンクレージー』は特筆され、彼の名声を確固たるものとしました。1975年にはニューヨーク世界貿易センターに約250トンの巨大彫刻『雲の砦』を制作しました。

その後、1966年に香川県高松市の庵治半島にナガレスタジオを建て、そこが彼の住居兼制作拠点となりました。このスタジオは彼の哲学と美学が息づく場所であり、晩年まで数多くの作品が生まれました。日本経済新聞の「私の履歴書」にも自伝を掲載し、その多才さと独創性を示しました。2018年に95歳で亡くなるまで作品と彫刻の技術は世界中で高く評価され、その遺産は「ナガレスタジオ 流政之美術館」として後世に残されています。

 

見附 正康

見附正康は九谷焼の作家です。

1975年に石川県に生まれ、石川県九谷焼技術研修所在学中に九谷焼の名工・福島武山出会ったことで卒業後に師事します。その後は作品が認められない日々が続きますが、ある時オオタファインアーツの大田氏に注目されるようになったことでグループ展に出展するようになったり、経済産業大臣指定伝統工芸技士として認定されたりと活躍の幅を広げることになりました。
その後2007年に独立し、自宅に工房を構え作陶にはげみ、個展やアートイベントにも出展、第9回パラミタ陶芸大賞なども受賞しております。

作風としては人物や花鳥などの伝統的な九谷焼の赤絵の絵付のものありますが、緻密で繊細な線描で描かれた文様やパターンの絵付を得意としており、超絶的な技術が込められた作品には目を見張るものがあります。また、海外で見た建造物などからヒントを得ることもあり、伝統ある九谷焼の絵付と現代的なデザインが融合した新たなジャンルの作品であるとも言えます。

 

ウィリアム・オリバー William Oliver

ウィリアム・オリバーは1823年にイギリスのウースターで生まれたイギリスの画家です。

本名はウィリアム・オリバー・ウィリアムズ。以前は職業名を画家ではなく、ウィリアム・オリバーと名乗っておりました。オリバーはロイヤル・アカデミー・スクールとバーミンガムのガヴァメント・スクール・オブ・デザインで美術を学びました。複数の魅力的な作品を描いておりましたが、オリバーは破産を経験してしまいます。しかし逆境に立ち向かい、オリバーは美の道を追求し続けました。

その後ロンドンに進出し、さまざまな一流の場所で展覧会を開きます。
18世紀後半には新古典主義が生まれ、格式高い表現の作品が評価されるようになりました。
オリバーも正確な線で描く写実主義で作品を生み出し、高く評価されました。
また人物画や風景画を得意としており、特に若い女性に焦点を当てた作品を多く残しております。

その後オリバーは1901年にケンジントンで亡くなり、美術界に多くの遺産を残しました。

 

二宮 義之

二宮義之氏は1929年生まれ、神奈川県湯本町出身のからくり職人です。

戦後、勤めていた工場が閉鎖となり、旋盤工の仕事を辞めて工木の道を歩みだしました。マスダ木工芸技能者養成所を修了後は父親の儀之助に師事しています。
その後はひたすら木と向き合い続け、1972年には「はこねクラフト工房」を建設しました。11年後には展示即売所の「木楽」を開店をされています。
1981年に初の個展を八小堂銀座店で開催します。その後も多くの個展を開催し、そこでできた人との繋がりを今でも大切にされています。

1993年からは「からくり制作研究会」に参加しています。からくり制作研究会は箱根小河原地方を中心として、楽しくて質のいいからくり箱の作成を志す職人が集い1993年に5月に発足された会であり、二宮は初期からの主要メンバーだと言えます。
からくり制作研究会では「伝説の秘密箱マイスター」と呼ばれ、数多くの作品を制作されています。仕掛けは初心者でも手を出しやすい3回のものや、上級者向けの15回など様々ございます。

藤 哲斎

藤哲斎(とう てっさい)は、昭和期に活躍した広島県の彫刻工芸作家です。

広島は筆の名産地であり、哲斎もはじめは筆に文字を彫る仕事をおこなっておりましが、研鑽を積んでいくのちに煎茶道具に彫刻を施すようになっていきました。
昭和30年に広島県美展で作品が入選し、地元を中心に人気を集めることとなりました。

作品には竹を使用した煎茶道具が多くあります。哲斎の培った技量と細やかな表現力は特に茶量(茶合、仙媒)作品に強く表れ、現在でも多くのファンがおります。広島の活動が中心だったため、中国地方の煎茶をされている方に人気がありました。
哲斎が彫る茶量の図案は様々あり、人物や動物、草木といった細やかな表現が必要なものから煎茶人好みの漢詩文や中国古典を取り入れたものまで、幅の広い組み合わせで作品に趣を生み出しました。

茶量以外でも茶巾筒や煎茶盆など、いずれも作家性のある煎茶道具を制作しており、今なお多くの人々を惹きつけております。

浜野 矩随

浜野矩随(はまの のりゆき)は、江戸時代中期頃に活躍した装剣金工師です。 浜野派の開祖である浜野政随のもとで門人として学び、浜野派の細密な作風に肉合彫りの意匠を加えた独自の作風を生み出しました。 落語に通じた方であれば、 …

柄澤 齊

柄澤齊は、1950年栃木県日光市生まれの版画家です。 木口木版画の第一人者であり、現在は版画のほか絵画・オリジナルコラージュ・エッセイ・ミステリーなど様々な芸術や文学作品に携わっているマルチな作家さんです。 1971年に …

金田鹿男

金田鹿男は1938年茨木県出身の陶芸家です。 茨城県の由緒ある寺院の住職の次男として生まれ、陶芸とは無縁の環境に育ちます。23歳の時に「泥だらけになって、精神的にも肉体的にも自分を鍛えたかった」と一念発起し、脱サラして陶 …

二代目 川瀬竹春

二代目 川瀬竹春は1923年京都出身の陶芸家です。 初代・竹翁から竹春を世襲しました。別名を順一と言います。 京都市美術学校絵画科卒業後に父のもとで修行しました。1949年に父と共に京都から神奈川県大磯に移住し、1960 …

山本彪一

生没:1912ー1999年 山本 彪一 (やまもと ひょういち) は1912年生まれ。栃木県出身の画家です。 幼少の頃から絵に興味を持ち、楽しみとして絵を描いていた。早稲田大学商学部卒業後本格的に画家を志すようになりまし …

鈴木 玩々斎

鈴木 玩々斎は竹芸作家で、明治から昭和にかけて活躍しました。 16歳の頃に竹芸作家の山下巧竹斎に師事し、腕を磨いた後独立、その翌年森華堂より「元々斎」の号を受け、その後「玩々斎」に改名します。改名後は浪華籃友会展、大阪工 …

伊勢崎 晃一朗

伊勢崎晃一朗は、1974年生まれの備前焼作家です。 人間国宝である備前作家・伊勢崎淳の長男として生まれ、現在においても活躍の幅を広げておられます。 東京造形大学の彫刻科を1994年に卒業し、その後はアメリカにて研鑽を積み …

岡崎 忠雄

岡崎忠雄は、京都府出身の日本画家です。 1943年に生まれ、昭和後期から平成の初期にかけて活躍されました。 牡丹をはじめ、花をモチーフとした日本画で主に評価を得ており、現在も根強いファンのいる作家さんです。 1968年に …

キヤノン(Canon)

キヤノンは日本の光学機器やプリンターなどのOA機器メーカーですが、最初は高級カメラの製造を目的として創立された精機光学研究所という小さな研究所でした。1935年に日本で初のフォーカルプレーン式のカメラ「KWANNON(カ …

中川 義實

中川義實は明治時代頃に活動した岡山県出身の金工師です。 義實について残された資料は少なく、明治時代頃までの金工師をまとめた『古今金工一覧』と父・正阿弥勝義の手紙の宛先と内容からその活躍を知る事が出来ます。 『古今金工一覧 …

金龍堂

金龍堂は、初代大國壽朗が発足した鉄瓶や金工品を得意とした工房です。 初代の大國壽朗の他にも松尾忠久、佐野直之らの有名作家が在籍していました。 金龍堂の歴史は古く、明治期~大正期にかけて多くの名品を世に残しました。 明治期 …

木越三右衛門

初代木越三右衛門(木越正之)は、江戸時代に河北郡木越村で生まれました。農民の出身でしたが、鋳物師としての才能を見出され、横川長久のもとで修行しました。18歳の時には、師である横川長久の命により金沢天徳寺の梵鐘(釣鐘)を製 …

山近 泰

山近泰は1975年石川県能美郡にある代々続く窯元に生まれ、幼いころから九谷焼に囲まれて育ちました。 九谷五彩と呼ばれる赤・緑・黄・紫・紺青を駆使して、様々な動物や植物を生き生きと描く新進気鋭の陶芸家であり、その色鮮やかな …

S.T. Dupont デュポン

デュポンは、ライターに代表されるフランスの高級ブランドです。 1872年、シモン・ティソ・デュポンによって革製品店として創業されました。高級層に向けたアイテムは人気を呼び、順調に業績を伸ばしておりました。 第二次世界大戦 …

大森 金長

大森金長は武者小路千家にて厚く抱えられた錺師で、多くの茶道具を制作しました。 錺師という見慣れない言葉。「かざりし」と読み、金工細工職人を指します。 金属加工の歴史は古く、日本においては出土品などから弥生時代にまで遡るこ …

Peterson ピーターソン

ピーターソンは、パイプに代表されるアイルランドの喫煙具メーカーです。 1865年、アイルランドのダブリンにてフリードリッヒ・カップとハインリッヒ・カップの兄弟が創業したパイプ煙草の販売会社を起源とします。 その直後、カッ …