今関アキラコ(イマゼキアキラコ)氏は1964年京都にて生まれます。小さいころから絵を描くことが好きだった今関アキラコ氏は10代の頃は屋根裏部屋に閉じこもって絵をずっと描いていました。そして武蔵野美術専門学校に入学します。絵画にのめりこみ、卒業した後は様々な賞を受賞しました。2005年からは毎年フランスへ渡り、その美しい田園風景などを作品として残しています。
今関氏の作品の特徴はなんといってもその明るい色使いと、緻密な筆運びにあると思います。今関氏の作品は花を描いたものや風景画が多いですが、目の前にあるものを今関氏が感じたままにのびのびと描いているようなそんな印象を受けます。今回の作品である薔薇は力強い赤や、可愛らしいピンク等様々明るい色を多用しています。また風景画等もそうですが細かい部分の描写が素晴らしいです。花でいうなら花びら一つ一つまで丁寧に描いています。今関氏は現在も各地で個展を開き、作品も精力的に製作されていますのでどこかの機会で見に行かれることをお勧めいたします。
見附正康は九谷焼の作家です。
1975年に石川県に生まれ、石川県九谷焼技術研修所在学中に九谷焼の名工・福島武山出会ったことで卒業後に師事します。その後は作品が認められない日々が続きますが、ある時オオタファインアーツの大田氏に注目されるようになったことでグループ展に出展するようになったり、経済産業大臣指定伝統工芸技士として認定されたりと活躍の幅を広げることになりました。
その後2007年に独立し、自宅に工房を構え作陶にはげみ、個展やアートイベントにも出展、第9回パラミタ陶芸大賞なども受賞しております。
作風としては人物や花鳥などの伝統的な九谷焼の赤絵の絵付のものありますが、緻密で繊細な線描で描かれた文様やパターンの絵付を得意としており、超絶的な技術が込められた作品には目を見張るものがあります。また、海外で見た建造物などからヒントを得ることもあり、伝統ある九谷焼の絵付と現代的なデザインが融合した新たなジャンルの作品であるとも言えます。
ウィリアム・オリバーは1823年にイギリスのウースターで生まれたイギリスの画家です。
本名はウィリアム・オリバー・ウィリアムズ。以前は職業名を画家ではなく、ウィリアム・オリバーと名乗っておりました。オリバーはロイヤル・アカデミー・スクールとバーミンガムのガヴァメント・スクール・オブ・デザインで美術を学びました。複数の魅力的な作品を描いておりましたが、オリバーは破産を経験してしまいます。しかし逆境に立ち向かい、オリバーは美の道を追求し続けました。
その後ロンドンに進出し、さまざまな一流の場所で展覧会を開きます。
18世紀後半には新古典主義が生まれ、格式高い表現の作品が評価されるようになりました。
オリバーも正確な線で描く写実主義で作品を生み出し、高く評価されました。
また人物画や風景画を得意としており、特に若い女性に焦点を当てた作品を多く残しております。
その後オリバーは1901年にケンジントンで亡くなり、美術界に多くの遺産を残しました。
二宮義之氏は1929年生まれ、神奈川県湯本町出身のからくり職人です。
戦後、勤めていた工場が閉鎖となり、旋盤工の仕事を辞めて工木の道を歩みだしました。マスダ木工芸技能者養成所を修了後は父親の儀之助に師事しています。
その後はひたすら木と向き合い続け、1972年には「はこねクラフト工房」を建設しました。11年後には展示即売所の「木楽」を開店をされています。
1981年に初の個展を八小堂銀座店で開催します。その後も多くの個展を開催し、そこでできた人との繋がりを今でも大切にされています。
1993年からは「からくり制作研究会」に参加しています。からくり制作研究会は箱根小河原地方を中心として、楽しくて質のいいからくり箱の作成を志す職人が集い1993年に5月に発足された会であり、二宮は初期からの主要メンバーだと言えます。
からくり制作研究会では「伝説の秘密箱マイスター」と呼ばれ、数多くの作品を制作されています。仕掛けは初心者でも手を出しやすい3回のものや、上級者向けの15回など様々ございます。
藤哲斎(とう てっさい)は、昭和期に活躍した広島県の彫刻工芸作家です。
広島は筆の名産地であり、哲斎もはじめは筆に文字を彫る仕事をおこなっておりましが、研鑽を積んでいくのちに煎茶道具に彫刻を施すようになっていきました。
昭和30年に広島県美展で作品が入選し、地元を中心に人気を集めることとなりました。
作品には竹を使用した煎茶道具が多くあります。哲斎の培った技量と細やかな表現力は特に茶量(茶合、仙媒)作品に強く表れ、現在でも多くのファンがおります。広島の活動が中心だったため、中国地方の煎茶をされている方に人気がありました。
哲斎が彫る茶量の図案は様々あり、人物や動物、草木といった細やかな表現が必要なものから煎茶人好みの漢詩文や中国古典を取り入れたものまで、幅の広い組み合わせで作品に趣を生み出しました。
茶量以外でも茶巾筒や煎茶盆など、いずれも作家性のある煎茶道具を制作しており、今なお多くの人々を惹きつけております。