井上 康徳

井上 康徳は、白磁を代表する作家の一人として広く知られています。

彫りや釉薬の掛け分けなどの技法を駆使して白磁の表現を追求し、生活の中にとけ込み、見て使って楽しめる器」をテーマに幅広く活躍しました。

1958年、佐賀県有田町にて、人間国宝井上萬二の長男として誕生。
幼少期から白磁に親しみ、その世界に次第に魅了されていきます。

父の跡を継ぐにあたり、井上は「陶芸以外の様々な経験をして、それを作陶に活かしたい。それは大学卒業後でも遅くない。」と考えました。
そして大学卒業後、父からろくろ技法を学び、1983年には「日本伝統工芸展」に初入選。その後も数々の入賞・受賞を重ね、着実に実績を築いていきます。

白磁の美しさに現代的なデザイン感覚を融合させた作品は、「人間国宝の息子」という重圧を超え、独自の魅力を放ちました。
その確かな技術と感性は、国内外で高く評価されています

さらにその情熱は次世代へと受け継がれ、三代目の井上祐希は、ストリートカルチャーと伝統を融合させた新たな白磁表現を切り開いています。