柳 海剛

柳海剛(ユ・へガン)は、高麗青磁を復活させたことで有名な、韓国陶芸界を代表する陶芸家です。1894年、首都・漢城(現在のソウル)に生まれます。少年時代に目にした高麗青磁の美しさに惚れ込み、1911年頃から陶芸技法を本格的に学びます。一方で国内各所の古い窯跡の調査にも乗り出し、その土で試作品を作っていきます。1928年に日本で開かれた博覧会へ青磁作品を出品し、これが金牌賞を受賞します。その後、朝鮮半島は第二次大戦、朝鮮戦争と混乱した時代になってしまいますが、戦後復興と共に海剛の作陶も復活します。

1960年には海剛青磁研究所を設立し、本格的に高麗青磁の再興に取組みます。こうした活動が評価され、同年、韓国政府より「人間文化財」に指定されます。64年には柳海剛窯も設立されました。

永らく途絶えていた高麗青磁を復活させた功績は非常に大きく、さらにその技量も高いことから、現代の高麗青磁において1,2を争う人気作家となっています。

 

 

黄君壁

黄君壁(黄君璧)は20世紀の中華民国を代表する書画家です。

広東州広州の裕福な家庭で育ち、幼い頃よりよく絵を描いていました。広東の公立学校を卒業し、画家の李瑶屏のもとで伝統的な中国画を学んだ後、楚庭美術院に入学し西洋絵画を学びます。その後は世界を巡り、様々な名所を題材に山水画など描いています。また広州市立美術学校、中華民国国立中央大学芸術学部、台湾師範大学芸術学部などで教授などを務め、後進の育成にも積極的でした。

中国画に洋画の技法を取り入れて描かれる彼の作品は、その力強さと鮮やかさが特徴となっています。人物画や花鳥画も手掛けていますが、特に人気があるのは山水画で、晩年の作品は中国のみならず海外でも高く評価されています。