賈又福

賈又福は、山水画を得意とする中国の画家です。

1942年、賈又福は中国河北省に生まれました。

中央美術学院に通い、卒業後は「李克然」に師事しました。
現在では、母校で教授を務めています。

彼は、中国北部の太行山脈を題材とした作品を多く描きました。

太行山脈は、中国の水墨山水画において重要な画家である「荊浩」などの作品で、イメージのもとになった土地だとされています。

墨の濃淡を使い分け、力強く自然の存在感を表現しているのが特徴的です。
山肌の質感や雲の流れなど、細部までこだわられたその作風は、何度も山に登り全身で感じた彼にしか描けないものなのかもしれません。

中国や台湾で個展を開き、日本を含めた10以上の国と地域で展示されるなど、今でも高い評価を受けています。

李迪

李迪は、中国の南宋時代(1127年-1197年)に活躍した宮廷画家です。

李迪に関する情報は少なく、生没年は不明ですが河陽出身とされています。

花鳥画や動きのある作品が得意で、南宋時代を代表する画家の一人として知られています。

時代ごとに画風が変わっていきますが、南宋時代は宮廷画院の画家たちが活躍した最盛期とも言われており、今でも質の高い作品が多く残されています。
特に李迪は、伝統を尊重した写実性や装飾性を重要視した作品を多く描きました。

繊細な筆使いや、細部まで写実的に描かれた味わい深い作品たちは、後世においても評価が非常に高く、今も東京国立博物館などで保存されています。

代表作には『紅白芙蓉図』『雪中帰牧図』などがあります。

郭煕

郭煕は、中国北宋時代を代表する山水画家です。

 

宋の第五代皇帝・神宗のもとで宮廷画家として仕え、その才能と技術によって、山水画の発展に大きく貢献しました。特に、自然の雄大さや繊細さを捉える力に優れ、北宋山水画の頂点を築いた人物として知られています。

 

彼の作風は、自然の奥行きや広がりを表現する革新的な技法で特徴づけられます。
特に有名なのは、郭煕が自著『林泉高致』で論じた「三遠」と呼ばれる表現技術です。高さを感じさせる「高遠」、奥行きを強調する「深遠」、そして広がりを見せる「平遠」という三つの視点を巧みに組み合わせ、壮大な風景の立体感と空間の広がりを描き出しました。
筆致は力強くも繊細で、山や川、霧といった自然の要素を生き生きと表現し、静謐な中に動きを感じさせる独特の美しさを放っています。

 

彼の代表作である『早春図』は、冬の終わりから春の訪れを描いた名作として知られ、濃淡の変化や霧の表現が非常に巧みです。この作品は、現在台北の国立故宮博物院に所蔵されており、宋期の至宝として語り継がれております。

 

董 寿平

董寿平は、中国の著名な画家・書家です。

 

山西省出身で、生家には膨大な絵画や書画のコレクションがありました。そんな周囲の影響を受け、画家・書道家としての基礎を築き上げました。

1926年に北京の東方大学を卒業したのち、北京に定住して書道や絵画を研究しました。主に松、竹、梅、蘭、山水を描き、特に安徽省の仙境・黄山を好んで描きました。
後年は日本とも深い関係を持ち、幾度も来日して個展を開催しております。ですので、中国作家の中でも比較的高い認知を得ております。

 

作風としては、紅梅図をはじめとした花鳥画や山水画を多く描きます。董寿平の持つ広い絵画技法の知見、風景への深い洞察は豊かで荘厳な自然の美を描き出します。
また書法にも優れ、古朴で洒脱、力強く流麗な筆致が特徴です

 

現在でも多くの美術館や個人コレクターによって所蔵されており、その芸術的価値は高く評価されています。

王 成喜

王成喜は、中国河南省出身の画家です。

1940年に生まれ、1966年に中央美術工芸学院を卒業します。中国花鳥画の巨匠・董寿平に師事し、伝統的な中国画の技法を基に、繊細で色彩鮮やかなスタイルを確立しました。

 

王成喜の作品の中では特に「紅梅」の絵が有名であり、その他にも白梅や果物のモチーフを描くことが多いです。作品は人民大会堂や日本国会にも展示され、国内外で広く評価されています。

 

現在も国家一級美術師の画家として活躍しており、中国や日本に留まらずヨーロッパやアメリカでも高い評価を受けております。

愛新覚羅 溥傑

愛新覚羅 溥傑は、清・満洲国の皇帝である愛新覚羅溥儀の同母弟です。
ラストエンペラーの実弟として、波乱万丈な生涯を歩みました。

皇帝一族である愛新覚羅家は、その政治的・歴史的な役割のほかにも書家として高名です。
書の格と政治的な格とが繋がる文化を背景に、各々が一族の上の存在から書を学びました。またその後生涯において政治的な活動を行う上で、書を記す行為はずっと続いたことでしょう。
その取り組みの中で、それぞれの型が醸成され評価されるものとなりました。

愛新覚羅溥傑の書は、流れる水のようなフォルムが特徴的です。
溥傑の遺した書をもとに、『相依為命体(そういいめいたい)書体』としてフォント化もされております。
溥傑は波乱曲折の人生を得て、日中友好に大きく貢献しその生涯を閉じます。
一言では言い表せない壮絶な人生のなかで、その美しいどこか淡々とした風情の書を書き残した愛新覚羅溥傑。その作品は、氏の人生や歴史を感じることによって、より一層想い深く鑑賞されるものでしょう。

張世簡

張世簡は、中国の花鳥画作家です。 1926年に「画家の故郷」として知られる浙江省浦江県禮張村に生まれました。 叔父には花鳥画家である張振鐸(1908-1989)、従兄には同じく花鳥画家として活躍し、巨匠として知られる張書 …

呉 清源

呉清源は、昭和期に日本で活躍したプロの囲碁棋士です。その活躍から「昭和の棋聖」とも呼ばれております。 生まれは1914年の中国福建省、その後は北京で過ごし、幼少の頃より父から囲碁を教わっていました。非凡な実力はこの頃から …

許麟盧

許麟盧は、中国の絵画・書画作家です。 1916年に中国は山東省蓬莱市で生まれ、幼いころから絵画や書画に触れて成長していきました。1939年からは書家・絵画家の溥心畲に師事し、技術と心得を学びました。溥心畲は朱子学をはじめ …

王 錫良

王錫良は、中国の美術工芸作家です。 1922年の景徳鎮に生まれ、若くから珠山八友の一人である王大凡に師事し、磁器と絵画を学びました。 1950年頃に在籍していた陶器科学研究院では、王大凡をはじめとする景徳鎮磁器の実力者た …

藩 天寿

潘天寿は中国・浙江省寧波市に生まれた画家・美術教育家です。幼少期から書道、絵画、切手彫刻などに興味を持ちます。特に書道と絵画に熱中し生涯をささげる決意をしたほどでした。 学政時代は成績も優秀で、卒業後は教師として小学生を …