レオナルド・ウェーバーは、20世紀に活躍したアメリカ出身の風景画家です。
ニューヨークのアート・スチューデンツ・リーグで絵画を学んだ後、長年にわたり美術教育に従事しました。その過程で日本の水墨画からインスピレーションを受け、都市や街並みの景観を横長の構図を用いて描く作風を確立しました。
世界各地の都市や自然景観を題材とし、繊細な筆致と淡く透明感のある色彩を用いて表現しています。精細な色調と奥行きのある空間構成を組み合わせることで、対象となる地域の空気感や空間の広がりを緻密に捉えた水彩画や版画作品を展開しました。
1995年以降は幾度となく来日し、開催された展覧会で人気を博しました。葛飾北斎を深く敬愛していることでも知られ、来日時には横浜の風景をはじめとする作品を数多く制作しています。
マイク・クプカ(Mike Kupka)は、アメリカ・ニュージャージー州出身のフリーランス・イラストレーターであり、写実的な油彩画技法を用いた表現で知られています。ベケット社主催の第10回スポーツギャラリーコンテストで最優秀賞を受賞し、『USアートマガジン』誌の「注目すべきアーティスト25人」にも選ばれています。
同州の美術学校で美術を学び、写実的な油絵という独自のスタイルを確立し、イラストレーションに焦点を絞っていきました。約8年間のフリーランス活動を経て、ミュージシャンのオジー・オズボーンを描いた肖像画をきっかけにディズニーの公式ライセンス・イラストレーターとなりました。
ディズニー公認アーティストになることは決して容易ではありません。ディズニー作品は世界的なブランドであり、そのイメージを扱うアーティストには高度な技術と深い理解が求められます。キャラクターの造形を正確に再現するだけではなく、作品が持つ夢や感動、希望といった精神性までも表現しなければならないからです。
彼はその厳しい基準を満たし、約8年にわたってディズニー作品の公式アート制作に携わりました。その後はルーカスフィルム社とライセンス契約を結んだほか、ナショナルホッケーリーグ(NHL)のライセンスイラストレーターも務めました。
現在は著名なスポーツ選手やアーティストの作品を数多く手掛けており、ワーナー・ブラザース、NFL、NBAなどの企業とのライセンス契約にも携わっています。
萩原英雄(はぎわら ひでお)は、昭和から平成にかけて活躍した版画家です。
山梨県甲府市に生まれ、東京美術学校(現・東京藝術大学)で油画を学び、卒業後は浮世絵版画の制作・復刻を行う高見沢木版社に勤めました。その後、病気療養をきっかけに木版画の制作に取り組み、独自の技法を追求していきます。
従来の木版画の枠組みにとらわれず、版木の裏面から色や形を浸透させ、それを活かして表面から刷り重ねる「両面摺り」など、革新的な技法を開拓しました。こうした試みによって、木版画に豊かな色彩や奥行きのある表現をもたらし、独自の版画世界を築き上げました。
特に日本の現代抽象木版画における第一人者として知られ、国内外の国際版画展でも高い評価を受けた作家です。
北川健次は銅版画・オブジェを得意とする現代美術家です。
1952年に福井県に生まれ、多摩美術大学大学院美術研究科を修了しました。駒井哲郎から学んだ銅版画は棟方志功・池田満寿夫からも絶賛され、作家活動を開始するきっかけとなりました。
1975年には現代日本美術展ブリヂストン美術館賞を受賞、翌年、東京国際版画ビエンナーレ展に招待出品、1981年にはリュブリアナ国際版画ビエンナーレ展に招待出品するなど、国内外を問わず活動範囲を広げていきました。
そして1990年には文化庁の芸術家在外研修員として渡欧し、豊かな感性を磨いていきます。銅版画・オブジェだけではなく、美術評論・詩・写真・油彩画などマルチな才能を発揮し創作活動に取り組んでいます。
北川は自身の制作スピードについて「阿弥陀くじの中を時速300kmで運転している感じ」と表現しており、5カ月で60点以上完成させるなど、溢れるアイデアを次々と形にしています。衰えることのない表現意欲は、今後の新たな展開を期待させます。
杉山元次(すぎやま もとつぐ)は、昭和から平成にかけて活躍した日本の木版画家です。
1925年(大正14年)静岡県生まれ。会社員として働く傍ら版画を制作し、1975年より現代木版画の第一人者の舩坂芳助に師事します。
都市の風景を描きながらもどこか温かく静謐な抒情性があり、現代の住空間にも調和するデザイン性の高さが特徴です。
東京の都市風景や水辺の美しさを描いた作風で知られ、長年にわたり日本の現代版画界を牽引してきました。
ジャン・モワラス(Jean Moiras)は、1945年にフランス中部シャマリエールで生まれた現代フランスを代表する画家の一人です。独特の質感表現と詩的な世界観で知られています。
若き日は映画やテレビ、舞台美術の制作に携わり、ニキ・ド・サンファルやジャン・ティンゲリーら著名芸術家の制作にも参加しました。この時に培われた空間構成力や照明効果の感覚が、のちの絵画表現の大きな基礎となっています。
1970年代以降は絵画制作に専念し、フランス国内をはじめ、ニューヨーク、シカゴ、ルクセンブルク、日本など各国で個展を開催しています。作品は幾何学的な構成と幾重にも塗り重ねた豊かな色彩、厚みのあるマチエールを特徴とし、風景や花、街並みを抽象と具象の間を行き来する独自の表現で描き出します。
建築的な画面構成と静謐な空気感が調和した詩情豊かな世界観は高く評価され、多くの愛好家を魅了し続けています。