Dunhill ダンヒル

1880年にイギリス・ロンドンにて馬具専門製造卸売業ブランドとして創業、その後父親の会社を引き継いだアルフレッド・ダンヒルは、1904年に開発した「フロントガラスパイプ」を皮切りにパイプ製造事業に参入します。
1907年にイギリス・セントジョーンズにてタバコ専門店をオープンさせ、今でも人気の高いライターやパイプの製造を本格的に稼働していきました。

品質と製造にあたる技術力は確かなもので、1930年代頃には皇室御用達ブランドにまで成長していました。1969年には、イギリスのエリザベス女王からブランド品の輸出に関する功績が高い評価を得ています。

現在はカルティエなどを傘下に置く「リシュモン・グループ」に買収されていますが、スーツや時計、バッグや喫煙具など、商品カテゴリーの幅を広く展開しています。ここまで紳士的に意識されたメンズラグジュアリーブランドは他にないと言われるほど、洗練された気品ある高級品として今でも世界的にも人気を博しています。

Peterson ピーターソン

ピーターソンは、パイプに代表されるアイルランドの喫煙具メーカーです。

1865年、アイルランドのダブリンにてフリードリッヒ・カップとハインリッヒ・カップの兄弟が創業したパイプ煙草の販売会社を起源とします。
その直後、
カップ兄弟の工房に立ち寄ったチャールズ・ピーターソンが、自分ならより良いパイプを作れると宣言したことで、三人でのパイプ製造会社が始まりました。

1890年に彼らは、煙道の下にジュース溜まりを設けてフィルターの役割にする独自機構「ピーターソン・システム」を開発し、発売を開始します。1898年にはリップの煙道を上向きにした「ピーターソン・リップ」を開発します。さらに「アーミーシステム」と呼ばれるシャンクに金属を巻き、吸い口を先細りにして接続する独自機構も開発し、今あるピーターソンのパイプに通じるひな型とも呼べる姿が出来上がりました。

ピーターソンのパイプはその後世界中に流通することとなり、現在においても人気の高いメーカーとなっております。

 

オールドノリタケ

オールドノリタケは、ノリタケ製の陶器の中で1800年代末から第二次世界大戦までに作られたアメリカ輸出用の物を指します。輸出用に作成されていたため日本ではあまり流通しておらず、アメリカでアンティークとして人気です。オールドノリタケと呼ばれるようになったのは1990年頃で、英語では「EARLY NORITAKE」と呼ばれています。

オールドノリタケの特徴は製造時期だけでなく製法にもあります。現ノリタケは転写紙などを使用した大量生産のニーズに応えた製法ですが、オールドノリタケは手作業で描かれる美しい絵付けや精巧な細工が施されており高い芸術性を持っています。
オールドノリタケのデザインの特徴として、当時の世の中の生活様式の変化や芸術などを積極的に取り入れていることが挙げられます。そのデザインについても大まかに二つに分けられており、オールドノリタケの初期商品に見られる、多彩な絵の具と金彩で仕上げられたアールヌーボー様式。人々が楽しみや快楽、また風変わりなものを求めてパリ万博以降に世界に広がったアールデコ様式と分けられます。
どちらの商品についても手彩色に金彩が施されているなど、優美さと豪華さを兼ね備えている一級品です。

オールドノリタケの見極めについては、重さや質感や技法など見極め方法がいくつかありますが、一番わかりやすいのは商品裏面にあるバックプリントです。バックプリントは30種類あり印の形や色からも時代が分かるようになっています。さらに、作られた時代だけでなく輸出先や作られた工場や産地なども分かるようになっています。もちろんあまり流通していないバックプリントも存在しており珍しい商品は高額で取引が行われています。

CHRISTOFLE(クリストフル)

1830年創業フランスのシルバーウェアの老舗ブランド
フランス王ルイ・フィリップやナポレオン3世の時代から、王家御用達として世界の王族貴族に多くの銀器を納めました。
「食卓の芸術品」として広く知られ、パリ・ルーブル美術館などにも今なお数々の作品が展示されています。
世界各国の大使館、公邸、一流ホテル、有名レストランなどでも愛用されており創業以来「創意・伝統・品質」を理念とし、創業者のモットーである「唯一の品質、それは最高の品質」を忠実に守り続けています。

Cristofle(クリストフル)はフランスのパリに本社を持ち1830年、宝石商のシャルル・クリストフルが創立した銀製品の老舗メーカーです。
創業者シャルル・クリストフルの掲げた信条は「オンリーワンの品質」でした。
当初からこの信条に忠実にあり続ける為の必要条件として「常に最新の生産技術を用い、製品品質を継続して高めることで、生産性を高めることが必要」と掲げ、その言葉どおりに常に技術革新を行いました。たちまちクリストフルは銀食器市場の開拓者にして市場におけるリーダーの地位を確立します。
1844年頃にはクリストフルは大量生産の体制を整え、19世紀のクリストフルの銀製品を今でも世界中のアンティークショップや蚤の市で見ることができます。その圧倒的な人気を象徴するようにヨーロッパ各国の銀工房がクリストフルを模倣したと言われています。

Saint-Louis サンルイ

サンルイは1586年、フランスはロレーヌ地域で創業したガラス製品メーカーです。ロレーヌはかつてフランス北東部に位置した地域圏で、2016年に周辺地域圏3つが統合され現在はグラン・テスト地圏と呼ばれています。

この地域で開かれたミュンツタール・ガラス工房は、1767年当時のフランス国王ルイ15世から「サンルイ王立ガラス工房」の称号を与えられます。1781年にはクリスタルガラスの製造技術を確立し、ヨーロッパ初のクリスタルガラス製造メーカーとなりました。

クリスタルガラスとは、一般的には基本的なガラスの材料に酸化鉛を添加して作られるガラスのことを指します。酸化鉛を加えることで透明度と屈折率が上がり、水晶のような輝きを持つガラスとなります。それ以外にも、酸化鉛を含まない代わりに酸化カリウムや酸化チタニウムを含むものなどが存在します。

サンルイにはフランス国家最優秀職人章を持つ職人が多数在籍し、成型・カット・装飾に至る全工程を手作業で行っています。

ロレーヌ地方がドイツに割譲されたり、第二次世界大戦によって一時操業停止に追い込まれる等、幾度も危機に瀕してきたサンルイ。それでも灯が消えることは無く、1995年エルメスグループに入り、現在もテーブルウェアやシャンデリア、フラワーベースなどのガラス製品を手作業で作り続けています。

Royal Worcester ロイヤルウースター

ロイヤルウースター(Royal Worcester)は、1751年に創業したイギリスの歴史のある陶磁器メーカーです。

ウィリアム・デイヴィスが創業者となり、イングランドの中西部に位置するウースター州のセヴァーン川のほとりに開業されました。

1752年に、ソープストーン(硬度が低く石鹸のような質感をもった天然石)を素地に混ぜた軟質磁器を作る「ブリストル工房」を合併し、薄い食器を製造する技術を手に入れ、規模を拡大しました。1789年にはイギリスの陶磁器会社として初めてとなるロイヤルワラントを賜り、晴れて英国王室御用達の窯となりました。

その後は中国製品との価格競争により財政難に陥りますが、フランス旅行から戻ったデイヴィスの息子たちがフランス風のレリーフ技術を持ち込み、イギリスの田園風景やネオ・ロココ調の様式で財政を立て直していきます。

19世紀からは、いくつもの工場を合併し事業を拡大するとともに、新しい挑戦を続けさらなる成長を遂げていきました。その後20世紀に入ってからは海外製品との競争にさらされ、スポードと経営統合します。2009年にはポートメリオンの傘下となっております。

HEREND ヘレンド

ヘレンド(HEREND)はハンガリーの伝統ある工房で、1826年にハンガリーで最初に立ち上げられた磁器工房でもあります。 ヘレンドの磁器は、オリエンタルな雰囲気のある独特な絵柄が特徴的です。その独特な絵柄は中国趣味と言わ …

リモージュ カップ&ソーサー

Limoges リモージュ

リモージュ磁器(リモージュ焼)について紹介致します。 リモージュ磁器とは、フランスはヌーヴェル=アキテーヌ地域圏の都市・リモージュの製陶所で製作される磁器のことを指します。最初にリモージュ磁器が作られたのは1771年とな …

ブールデル

エミール・ナントワーヌ・ブールデルは1861年に南フランスの家具職人のもとに生まれます。幼い頃から父の仕事を手伝い、木彫りの技術などはこの時に習得したと言います。 15歳になるとトゥールーズの美術学校に通い、その後パリの …

Meissen マイセン

マイセン(Meissen)はドイツ発祥の有名な磁器窯です。そして、ヨーロッパで初めて硬質磁器を生み出した窯でもあります。名前を聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。 交差した2本の剣をシンボルとしており、ノ …

デルフト窯

デルフト窯は16世紀からオランダで生産されている陶器です。 白地に鮮やかな青色で絵付けしたものはデルフト・ブルーと呼ばれており、日本ではデルフト焼とも呼ばれております。 オランダで活躍した画家フェルメールの作品にも登場す …

ジュモー

ジュモーは現在のアンティークドールと言われる、人形制作が盛んだった19世紀フランスを代表する工房の一つです。 当時の人形は服を着飾る為の言わばマネキンのようなもので人形自体を愛でることはほとんどありませんでした。工房の創 …

セーブル窯

セーブル窯はドイツのマイセン窯と並びヨーロッパの最高級陶磁器として世界の人々に高く評価されコレクターの間でも大変人気があります。 セーブル窯の歴史は古く1756年、ルイ十五世から寵愛を受けていたポンパドール夫人の提案でセ …

稲嶺盛吉

稲嶺盛吉は、沖縄が生んだ琉球ガラスの現代の名工です。 日本内外に琉球ガラスの美しさを知らしめる沖縄を代表するガラス職人です。 琉球ガラスは「炎の芸術」とも呼ばれています。1300度近い熱で真っ赤に溶けたガラスと、鉄のパイ …

アンドレ・コタボ

アンドレ・コタボは1922年にフランス南東部の町、サン=マルスランに生まれます。 リヨンの美術学校に進学し、そこで絵を学びます。 そして14歳の時、イタリアのローマの店先にあったゴッホの絵に感銘を受け、それを複製しようと …

薩摩びーどろ工芸

薩摩びーどろ工芸株式会社は、鹿児島県に本社を置く、薩摩切子作品を強みとしたガラス細工工房です。 薩摩切子とは、江戸末期に薩摩藩で造られた切子ガラスです。無色のガラス(クリアガラス)の上に色つきのガラスを被せ、それを磨き上 …

ジェームス・リジィ

ジェームス・リジィは版画作品の3Dアートで世界的に有名なアーティストです。 平面作品を立体的に見せる3Dアートの先駆者として名高く、地元であるニューヨークのような都会の日常風景である喧騒をポップに表現したことが高く評価さ …

リュージュ

リュージュはスイスで生まれたオルゴールメーカーです。 創業者はシャルル・リュージュ。 彼が1865年にスイスのサンクロワに移住したところから始まります。 初めはオルゴールのついた懐中時計を作ります。 産業革命の波はかなり …

ミューラー兄弟

ミューラー兄弟とは、フランス・モーゼル地方出身のガラス工芸の一家であり、ランプなどのガラス作品を製作するメーカーでもあります。 9人の息子と1人の娘の10人兄弟を総称して「ミューラー兄弟」と呼ばれています。 普仏戦争の時 …

LLADRO(リヤドロ)

リヤドロはスペインに本社を置く陶磁器製品を製造するメーカーです。 1951年、リャドロ家の三兄弟が自宅に陶器用の窯を設置し、ランプ用の花飾りを製作しました。この花飾りが人気を博したのをきっかけに、ここから今に至るリヤドロ …