皆様こんにちは。緑和堂京都営業所です。
本日ご紹介させていただきますお品物は「蒔絵硯箱」になります。
蒔絵とは器の表面に漆で文様を描き、その文様部分に金などを張り付けて作る技法を言います。蒔絵として思い浮かぶものとしてはこちらの作品のように金を使用した金蒔絵が一般的な印象でしょうか。
ただ、こちらの金蒔絵の硯箱ですが、全面に渡って金による蒔絵が施されています。蒔絵作品の評価としては、蒔絵が作品全体に対してどの程度施されているか、という点が非常に大きなポイントになります。そのため硯箱に限らず、金蒔絵が全面に施されている物は高評価が期待できます。
そして次にその絵の緻密さ、繊細さがポイントになります。
こちらの作品は全体に金蒔絵がほどこされつつ、その濃淡によって緻密に絵が描かれています。草木や山、空に至るまで金蒔絵によって表現され、所々には高蒔絵という蒔絵を盛り上げる技術も使われております。その技術は素晴らしく、絢爛さと雅さを兼ね備えています。
さらに、蓋の裏側にも梨地と呼ばれる蒔絵技法が施され、まさに蒔絵の集大成とも言える逸品です。
以上の事を踏まえ、今回はこちらの評価とさせていただきました。
緑和堂では、蒔絵作品をはじめ漆芸作品を多く取り扱わせていただいております。お手放しの際はお気軽にお問い合わせください。