皆様こんにちは。緑和堂大阪支店でございます。
今回ご紹介させていただきますお品物は、田能村竹田 作『山水図』でございます。
田能村竹田は、豊後国岡藩(大分県竹田市)出身の南画家です。
学問の道を進んでいた竹田が絵を描き始めたのは20歳頃で、地元の画家から学ぶ形で始まりました。芸術一筋となったのは37歳であり、芸術家としては遅い年齢でした。しかしながらその深い教養や力量から豊後南画の始祖と呼ばれるまでになりました。
南画の基本的な考えは、たくさんの知識を付け、自然を身体で感じ、それを絵に表すというものでした。竹田もまた、良い絵を描くためには多くの知識と旅をして得る事ができる見聞や体験が必要であると語りました。
本作も、竹田が旅の中で得た自然観が風景の広がりや迫力となって表れているように感じます。
今回は合箱と呼ばれる、作品に合わせて後から制作された箱に入れられていたこと、本品にはヤケやシミ等が比較的少なかったことを考慮し、こちらの評価とさせていただきました。