今回ご紹介させていただくお品物は、清水卯一 『天目釉 油滴 茶碗』でございます。
清水卯一は中国の古陶磁研究を基礎に鉄釉陶器の技術を深めた陶芸家です。1970年に滋賀県志賀町(現・大津市)の蓬莱山麓に蓬莱窯を開いて以降は、現地の土や石を原料として採取・研究し、独自の作陶を展開しました。
天目と呼ばれる鉄釉陶器の第一人者して知られ、中国・宋時代の技術に近代的感覚を加え、温かみと気品あふれる陶器の制作に邁進しました。また、国内外で大きな評価を得、1985年重要無形文化財「鉄釉陶器」の保持者(人間国宝)に認定を受けました。
今回のお品物はその天目の技法を存分に生かした、宇宙に散らばる星屑のような天目が美しい一品です。
箱に染みがあったものの、茶碗自体の保存状態がよかったこと、清水卯一の作品の中では比較的流通の多い作風であること、コレクター人気も鑑みてこちらの評価とさせていただきました。