玄々斎は、裏千家十一代家元で、幕末から明治初期にかけて活躍しました。
椅子に座って行う「立礼式」を創案し、茶道の近代化に貢献しました。現代の裏千家の基盤を作った人物です。
「茶禅同一味」とは、茶を点てる所作も、禅で心を整える行為も、本質において同じであるという考え方です。
精神修養としての茶の在り方を捉えた、茶の湯の源ともいえる禅語ですね。
本作には二重の箱が付いており、内箱には裏千家十三代・円能斎、外箱には十五代。鵬雲斎の箱書がありました。
箱書は、作品の証明となる署名のようなものです。本作が玄々斎の肉筆作品であることを、後代の円能斎と鵬雲斎が証明していることを表しております。
高名な家元の作品であること、上記のような箱書の経緯を持つことからこちらの評価とさせていただきました。