王 一亭『達磨図』

王 一亭は、清末民初に上海を中心に活躍した実業家・書画家として知られています。

13歳で金融機関である「慎余銭荘」に見習いとして入り、業務の傍ら外国語の勉強に励みました。
任 頤に画を学ぶことから始め、呉 鎮から山水画を教わりました。
花卉山水画を得意とし、晩年には仏画を多く描いたとされています。

関東大震災の際には支援活動を主導した、日本とも深く関わりのある人物です。

本作には、立ち姿の達磨が描かれています。
真一文字に結んだ口、鋭い眼光、髭というイメージはそのままに、独自の感性を加えたインパクトのある一作となっています。
濃い墨を使って力強く書かれた字には、彼の内面が表れているようです。

本作は、著名な書画家の作品であることや状態の良さなどを考慮し、上記の査定結果となっています。