今回ご紹介するお品物は、仙山『尺八 二尺二寸 金詩口 銀三線』でございます。
尺八は、竹の根元を用いた日本の伝統的な木管楽器です。その名は標準的な長さである「一尺八寸(約54cm)」に由来しています。
一見するとシンプルな構造ですが、吹き手の息づかいや指の絶妙なコントロールによって、非常に豊かで深みのある音色を奏でることができます。
古くは虚無僧(こむそう)が精神修行の道具として吹いていた歴史もあり、現代でも邦楽のみならず、ジャズや現代音楽など幅広いジャンルでその独特な響きが愛されています。
今回お譲りいただいた尺八は、製管師「仙山」の手による、随所に職人のこだわりと気品が詰め込まれた作品です。
最大の特徴は、標準的な一尺八寸よりも四寸(約12cm)長い、約66.6cmの「二尺二寸」で作られた長尺管である点です。長尺特有の深く地鳴りのような重厚な響きと豊かな音量を持っており、吹きこなすには確かな技術を要する、演奏家好みの本格的な仕様となっています。
さらに、息を吹き込む「歌口」の部分には高級感あふれる金が美しく嵌め込まれた「金歌口」仕様となっており、見た目の華やかさだけでなく、エッジの摩耗を防ぎ長年にわたってクリアな音の立ち上がりを維持する実用性も兼ね備えています。
また、管を2つに分解する継ぎ手(中継ぎ)部分には職人の高い技術を示す「銀三線(3本の銀ライン)」が施されております。以上の点からこちらの評価とさせていただきました。