中村大三郎は、京都府出身の日本画家です。
1898年に生まれ、美人画を中心に多くの作品を残されております。
1918年の第12回文展で初入選した後、翌年の第一回帝展で入選し、さらに第二回・第四回帝展では特選に選ばれるなど早くから才覚を現しました。
1922年には大阪高島屋で初の個展を開催します。またこの年、堂本印象や福田平八郎らとともに「九名会」に参加し、気鋭の作家としての地盤が固まっていきました。その後も積極的に個展などを開催しながら、多くの作品を制作・出品しました。
代表作として挙げられるのは、1926年の『ピアノ』です。こちらは大三郎の妻がモデルとなった作品であり、着物姿の女性が大きな洋風ピアノを弾く大胆な構図が目を引きます。この作品のように人物とモノ、洋と和を日本画のテイストで融和させた作風が大三郎の特徴であり、今なお持つ根強い人気に繋がっております。