ディズニーは、皆様にもなじみが深い名前かと思われます。ディズニーランドといえば日本のテーマパークとしても最も有名であり、世界的にはさらに浸透している一大エンターテイメント施設です。
20世紀初期頃からウォルト・ディズニー・スタジオが創造し、拡げ続けた独自の世界観。それをモチーフとし、制作されたディズニー公認のオリジナル絵画作品を「ディズニーファインアート」といいます。
描くのはディズニー公認のアーティストで、世界で30人ほどしかおりません。トーマス・キンケードやステファン・マーティンエアーをはじめとし、中には日本人のアーティストも存在します。
公認アーティストたちの作品はどれも個性的でありながら、ディズニーの世界観が強く引き出されております。ディズニー作品の名シーンを題材とした作品も多く、ストーリーを知っている人なら感動があるでしょう。
また、ディズニーランドの園内などで貼られたポスターの復刻版や、セルアニメ制作に使われたキャラクター原画である「セル画」も復刻版として販売されており、ファインアートとともに高い人気を持っております。
玉川信一は1954年に福島県会津坂下町に生まれ、東京教育大学(現筑波大学)の芸術学科で油彩画を学びました。
1978年に同大学の大学院を修了しますが、在学中から若くして頭角を現し、現在委員を務める二紀会に入選、昭和会展や安井賞展などでも佳作賞に入賞し注目を集めます。
以降も、教育者や大学の職員を務めながら、その経験の中で得た知識や着想を元に「現代社会における人物像」というテーマを一貫して作品を描き続け、重厚で独自的な作品世界を育んできました。
玉川の作品はテーマの通り、人物表現にその特色が濃く表れております。面長に描かれた人間がこちらに何かを訴えかけてくるような、そんな力強さが迫ってきます。
現代社会の荒波に揉まれて疲れ切ったかのように描かれた表情が、人間の退廃的な部分を強く印象付けます。
透視図法などを用いた大胆な構図の中には、不穏な印象を与える数字や磔、一角獣のような鋭利な角、そういったモチーフが綿密に張り巡らされていることが多いです。
また彼の作品には犬が登場することも多く、現代社会における人間と犬の相互関係、ひいては愛玩動物と人の心の繋がりを心象風景の中で表現しているのではないでしょうか。
教授を退職された現在もなお、現代社会に生きる人々の姿を、変わらぬ力強い画面構成や人物表現で描き続けております。
中原 脩は日本の画家・イラストレーターで、主に女性をモチーフとした油彩を制作していますが「中川 脩」の名前で日本画も発表している人物でもあります。
1946年に神奈川県に生まれ、東京藝術大学日本画科を卒業し、東京藝術大学大学院美術研究科修了したのち画家として制作活動に励みます。油彩では女性を主に描き、裸婦展に入選したりその他の絵画展でも精力的に活動しました。日本画家としては伝統的な日本画を精力的に描き、同一人物と思えないほど作風が変わります。また、イラストレーターとして本の装画の制作なども行い、活動の幅を広げています。
中原が多く描いた優しく繊細なタッチの少しうつむき加減な女性は気品に満ちた雰囲気があり人気が高いです。また大きな帽子をかぶったモチーフの事が多いことも特徴の一つです。
洋画と日本画では少し洋画の方が人気が高いように感じますが、画家として名前も変えて二足の草鞋を履く独自のスタイルを築いています。
水木しげるは、日本の国民的漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の作者として、また妖怪研究家として国内外問わず広く知られています。
鳥取県境港市の水木しげるロードや、東京都調布市の鬼太郎茶屋、商店街に並ぶ妖怪オブジェをご存じの方も多いのではないでしょうか。
水木は1922年大阪市住吉区に生まれ、鳥取県境港市で育ちました。
幼少期に、家に出入りしていたまかない婦「のんのんばあ」が語り聞かせた妖怪の話に興味を持ち、強い影響を受けたと言われています。小学校では勉強よりも体育や図画が得意で、図画に関しては早くからその才能を発揮していたようです。
しかしその後21歳で召集され大日本帝国陸軍として戦争を経験しました。戦時下で爆撃により左腕を失うも、残った右手を治療し絵を描き続けたそうです。
帰国後は紙芝居作家、貸本漫画家としてデビューしたのち「悪魔くん」を出版し、「テレビくん」が第4回講談社児童漫画賞を受賞。1968年に「ゲゲゲの鬼太郎」のテレビ放送が開始し、漫画だけでなくテレビや映画の世界にも妖怪ブームが訪れ、人気作家としてその名を世に知らしめました。
のち1991年に紫綬褒章、2003年に旭日小綬章を受賞し、2010年には文化功労者となりました。
2023年11月には「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」という映画が全国公開されました。2015年に彼がこの世を去ってからも変わらず多くのファンに愛されていることがうかがえます。
ロバート・ワイランドは国際的に有名な海洋生物アーティストです。画家、彫刻、作家、写真家、慈善家、映画製作者としても活躍している経歴を持っています。
海洋生物アーティスト(マリンアーティスト)といえば日本だとラッセンが人気ですが、世界的にはラッセンと並ぶほどの人気があり、マリンアーティストの第一人者とも呼ばれています。
ワイランドは、19歳の時に世界中の100カ所に壁画を描くという壮大な挑戦を始めました。1981年から始め、30年近い年月をかけて100枚を超えるマリンアートの壁画を完成させ、プロジェクトを達成しました。このプロジェクトは「ホエーリング ウォールズ」という名がつき、史上最大の公共芸術プロジェクトの 1 つとなっています。この世界的プロジェクトで描かれた作品は、年間で推定10 億人が鑑賞し続けています。
その他にもカリフォルニア州ロングビーチのコンベンションセンターに描いた巨大な海洋壁画は、3エーカー(12140㎡)以上の大きさでギネス世界記録に登録されるなど、多くの活動を行っています。
ワイランドのこれらの活動は全て自然保護の為の行動で、環境問題への関心を高めるための活動として取り組んでいます。美術や芸術を通して地球の大切さなどを訴え続けています。
井田幸昌は1990年、鳥取県生まれの現代美術作家です。
彫刻家である父、井田勝己のもと幼い頃より芸術に触れながら育ち、2016年に東京藝術大学 美術学部絵画科を油画専攻で卒業、2019年には同学大学院美術研究科修士課程を油画専攻で修了しました。在学時から作品を発表し続け、個展やグループ展を数多く開催してきました。
2017年には株式会社IDA Studioを設立、決まったギャラリーには属さず海外での活動も精力的に行っています。そうした活動が評価され、2018年にはFobusJAPANが毎年選出している30 UNDER 30 JAPANの一人に選ばれました。
「一期一会」を製作におけるコンセプトとし、「現象そのものを作品に投影することで、過去から現在に至るまで、多くの“今”との出会いを心のフィルターを通して可視化することを目指す(IDA Studio公式HPより)」としています。
コンセプトの通り、表情や顔立ちをはっきりとは描かず、その瞬間を切り取った独特の画風・色彩が特徴的です。近年はブロンズや木彫りでの彫刻作成も行っており、確かな画力と表現力・世界観で、今最も注目の若手作家といえます。